見出し画像

【対談vol.4 後半】レターギフトサービス「RETTEL(レッテル)」はこうして生まれた

今回は複数人でWeb上で制作でき、大切な人に対して紙の本で贈れる寄せ書きサービス「RETTEL(レッテル)」について、ネイチャーオブシングス代表 濱本さんとフューチュレック代表 神田にお話しを伺いました。(以下敬称略)

記事前半をまだ読んでいない方は、
ぜひ、前編と合わせてお読みいただければと思います!


互いが領域侵犯を厭わないからサービスのあるべき姿を追及できる

--RETTELは人生の節目や門出など大切なイベントを彩るサービスですが、制作上、最も意識した点はなんですか?

濱本:
まずイニシアチブをとっていただく幹事の負担をいかに軽減できるかという点、そして一人ひとりの参加メンバーがいかに制作プロセスを楽しめるかという点です。サービスの使い勝手がよくないと寄せ書きの代替にはなれないと思うので、そこは強く意識していた部分ですね。

神田:
僕は、それをどう実現するかに注力しました。シカケテガミと違って複数人の方からデータを集める仕組みになっているので、そこは今回かなり試行錯誤しながら工夫しています。

--RETTELのシステム開発において、最も苦労したことを教えてください。

神田:
RETTELは従来の寄せ書きとは違い、複数のメンバーがそれぞれ見開き1ページ分を担当して一冊の贈り本を制作するサービスなので、特にUIのわかりやすさを意識しました。
実は一回目に作ったものがあまりにもロードが遅くて作り直してるんです。テストのときにこの秒数は待てない……となってしまって。そこからユーザーが意識しないところで段階的に画像データをロードするなどの手法を試して、今の形態になりました。

濱本:
この時も全員で最初に挙動確認した際、僕が言うまでもなく神田さんから「これじゃユーザーフレンドリーとは言えないよ。もう一回ゼロベースで仕組みを考え直そう」って言い出したんです(笑)。
クライアントを前に自分たちが作ったものを否定するってなかなかできないことだし、正直「読み込みの負荷が大きいからこのくらいはどうしてもかかります」というスタンスになる制作会社のほうが多いと思います。
でもこの時の神田さんを見て、この会社は稼働後のサービスを他人事とは思っていないんだって、良いサービスを創りたいのは僕だけじゃないんだって、そう思えて本当に嬉しかったですね。ちょっと涙が出そうになりました。

--システム開発は良いモノを創ろうと思えば、それなりにコストもかさんでしまうジレンマがあると思います。そういったコスト面での折り合いはどのようにつけていったのでしょう?

神田:
コストは一番初めに濱本さんに予算をいただいてから、それをどう配分するかは僕(フューチュレック)に預けていただいています。
でもリソースは無尽蔵ではないので、工数をかけないところと工数をかけてでも実現した方がいいところの温度感は、お互いに同意を取りながら進めています。
 100%濱本さんの理想通りには進められなかったので、こちらから修正の提案もしましたし、両者が「これいいね」という折り合いがつけられるかはプロデューサーの腕の見せ所だなと思います。

ECプラットフォームサービスのShopifyを使ってコストダウンできたのも工夫の一つですね。ECをスクラッチで作ろうとすると、商品管理や受注管理などの機能の全てを自分たちで開発することになってしまいます。特に決済周りは開発のコストがかかるんです。そういった部分はShopifyの既存機能を使いつつ、ユーザーがコンテンツを制作するアプリケーション部分は別サーバーで処理をするといった切り分けを明確にすることで、全体のコストが下がるように構築しています。

通常の物販のECでは、購入された商品を発送するシンプルな仕組みですが、RETTELは商品をオンデマンドで制作するサービスです。商品を購入する前に、お客様自身にコンテンツ(商品の中身)を作成していただくことになります。そうやってお客様が制作したコンテンツを印刷用の入稿データに変換し、それを工場で印刷製本して、ようやくお客様に発送する流れになります。プロセスが圧倒的に多いですし、いままで制作してきたECとはかなり違うので苦心しましたね。

濱本:
弊社のような規模の会社だと決して予算が潤沢にあるわけではありません。何にどの程度工数がかかるのかといった肌感覚がないこともあり、昔はシステム制作会社とお金の話をするときはかなり警戒していました。

でもフューチュレックさんは、良いモノを創ることに対してサービス事業者である僕と同等の情熱を持ってくれているので、コスト配分といった話も忌憚なく話しながら進めることができています。
実装面で入り組んだ話になってくると、僕とエンジニアさんの直接のやりとりだとニュアンスが伝わりづらい部分もあるのですが、経営者とエンジニア双方の視点を持っている神田さんがうまく翻訳してくれますしね。非常に助かってます。

神田:
ありがとうございます!

--B2Cサービス開発の楽しさはどういったところにありますか?

神田:
私たち自身も1ユーザーとして利用できるサービスであることと、より良いユーザー体験を想像しながらクライアントと一緒に楽しく作れることの2点ですね。
クライアントだけどクライアントではないというか、何よりも専門性が違う方と一緒にモノづくりができる楽しさは凄く感じます。

濱本:
僕も神田さんもお互いに「自社の中だけで適材適所は生まれない」っていう前提を持っている気がします。僕は事業アイデアは持っているけど、それを形あるものに変換することができません。
サービス開発をしていると無力な自分に打ちひしがれることも多いですけど、だからこそ仲間の有り難さを痛感するんです。アイデアに命を吹き込む過程で、自分に足りない部分を補ってくれるフューチュレックさんのような存在は本当にありがたいと思います。

反対に神田さんも自分や自社にないものを僕に感じてくれているから、一緒になって世の中に楽しいことを仕掛けましょうって言ってくれるんだと思ってます。こうやってまるでロールプレイングゲームみたいに得意領域の異なる仲間ができて、一緒にひとつのゴールを目指していくプロセスが実は一番楽しいのかもしれないですね!

本記事では、RETTELのサービスやシステム開発の舞台裏についてご紹介しました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

・サービスやシステムを相談したい企業の方
・フューチュレックで働きたい、挑戦してみたいという方

是非、弊社WEBサイトよりお問い合わせください。


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?