〈17.ダイアナさんの抗議〉

「あんたたち、いい加減にしなさい!」

カフェクラブにいきなり誰かが乱入した。

「カフェクラブは中止よ。解散しなさい。でないと教授に訴えるわよ」

 それを聴いてアーサーくんは立ち上がった。

「待ちたまえ。まず名を名乗りなさい」

「私はダイアナよ。ハーバー大学の生徒よ」

 ダイアナさんはNY出身黒人女性。ハーバー大学でもトップクラスの成績で知日派でありながら反日家だった。

「よろしい。例え敵であっても名乗るのが礼儀である。私はアーサーだ」

 僕も立ち上がった。

「僕がカフェクラブのリーダー中島です。解散しなさいというのはどういうことですか?」

「あなたが中島ね。あなたこの大学の教師でもない部外者なのに教師面しないで」

「僕はピッツギャルド博士に許可をもらってこのカフェクラブを開いてるんだよ」

「このカフェクラブで話してるのは非科学的なことでしょ。ハーバー大学は非科学を教える所じゃないのよ」

「僕は日本人として僕の思い付いた発想をハーバー大学の生徒たちと共有してるんだよ」

 ダイアナさんは僕や日本人を批判した。

「あんたの話は科学的根拠のない作り話よ。

 大体日本人は自分の国が素晴らしいっていう風に自画自賛してるけど海外の人は誰もそんなこと思ってないわよ。

 日本製品は品質が高いとかいうけど、日本企業は働く人の人件費を低くして商品を安くして、それで物価が下げてるでしょ」

 この意見に対してアーサーくんは反論した。

「日本製品が安くて品質がいいのは生産性が高いからだ。単に人件費を下げてるからではない」

 ダイアナさんはまた批判した。

「日本は先進国はもうとっくに先進国じゃなくなってるわよ。中国や韓国に追い抜かれてるじゃない。日本の財政だって借金まみれでしょ」

 この意見に対してモディさんが反論した。

「日本の財政には借金はありますが財政難ではないです。それに日本政府は支援金で韓国や中国の発展を支援しています。」

 ダイアナさんはまた批判した。

「そもそも日本人は中国、韓国に酷いことしてたでしょ。まず謝罪すべきよ」

 この意見に李さんが反論した。

「日本政府は過去の植民地支配に対してすでに謝罪してるよ」

「すでに謝罪してるですって!?」

 ダイアナさんは言葉に詰まった。そして、

「あんたたち、みんなで寄ってたかって日本人をかばって何考えてるの?

 もう勝手にしなさい」

 ダイアナさんは退散した。一部始終を目撃したピッツギャルド博士は、

「君たちは本当によく、学ぶべきことを学んでるね。是非カフェクラブを最後まで続けなさい」

 そう言って褒めてくれた。

「やった! みんなでカフェクラブを守ったぞ!」

 みんな喜んだ。

つづく

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