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そして未来を織り続ける

「フューチャー・リテラシー」最終章

「未来を読み解く」際に重視している視点が3つある。

1)「ミクロ・マクロ・ネットワーク」の視点

 主にアイデア編集やコンセプト編集を行う際のチェックリストとして利用する。特に、フィードバックループ、動的適応の特性が出現するネットワークに注目する。

2)「ヒトと文化、集団とコミュニケーションの共進化」
の視点

 ヒトがヒトとして進化してきたのは、外界に適応する文化を集団内に記憶する能力によるところが大きい。時代を変える新しい技術・サービスは、集団の規模を大きくするか、コミュニケーション能力を拡張するかに関わっている。コミュニケーションは、ただ広がるだけでは情報過多におちいってしまう。「新しい文化を生み出すために必要な情報交換を活性化しているか?」という視点が重要だ

3)「振り子」の視点

 本書では、もう一つの視点を暗黙に使っている。

 エントロピーの拡散にあらがって動的平衡状態でバランスをとる際に、「ゆきつもどりつ」というダンスが描かれる。

ミクロ・マクロの「振り子」:
 「振り子」は左右に振れながら、かつ同時に存在して動的平衡のバランスをとる。我々は、振り子の一方に注力しているときにもう一方を同時に見ることができない。注力して観すぎると、同時に存在しているようにも見えてくる。現在や未来に注目するときに、片側により過ぎているときには同時にもう片側を意識する必要がある。一度、遠目に見てもいいし、逆に拡大してみてもいい。

複数の振り子が交差する。

「たまたま」には「必然」が隠され、「必然」には「たまたま」が隠されている。

集中 ⇔ 分散
集権 ⇔ 分権
静的 ⇔ 動的
安定 ⇔ 不安定
トップダウン ⇔ ボトムアップ
線形 ⇔ 非線形
論理的 ⇔ 直感的、感覚的
実体 ⇔ イメージ
リアル ⇔ 仮想
論理 ⇔ アート
デジタル ⇔ アナログ
クローズ ⇔ オープン
形式知 ⇔ 暗黙知
正確 ⇔ 柔軟
部分 ⇔ 全体
自己言及 ⇔ 再組織化
部分最適 ⇔ 全体最適
個人主義 ⇔ 全体主義
資本主義 ⇔ 共産主義
ミクロ ⇔ マクロ
個人 ⇔ 社会
本書 ⇔ 参考書籍
歴史の横線 ⇔ 縦線
過去 ⇔ 未来
たまたま ⇔ 必然
遠目 ⇔ 近目
ウの目 ⇔ タカの目
分けつ、つつなぎ ⇔ つなぎつ、分ける
寄せては返す
行ったり来たり
かえすがえす
表裏一体


無数のN次の振り子がミクロネットワークを織り、それを下地として新たなネットワークを織り続ける。

宇宙は物理の模様を織り込み、地球は化学の、生命は遺伝子の、ヒトは文化の模様をとどまることなく創意工夫しながら無限のトキを織り続けてゆく。

参考書籍:

[1] 松岡正剛(2001), "知の編集工学", 朝日文庫




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