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創造性を持ちたいならば、言葉の概念を解放することから始めよ|三澤 直加さん

5月18日、武蔵野美術大学 大学院造形構想研究科 クリエイティブリーダシップコース クリエイティブリーダシップ特論Ⅱ 第1回の授業内にて、グラグリッド三澤直加さんのお話を聴講しました。

グラグリッド、Grad+Gridで嬉しさを交差させるということだそうです。とても魅力的なお名前の会社で、ご紹介のあった5つのケースともに、ワクワクして聞かせて頂きました。

話の構造としては、創造性を高める方法論とそれを社会実装する為の方法論に大別されていると理解しました。

ケースの中で印象に残った落合第六小学校のワークショップを紹介します。これは、正解を求めたり、多数決で答えを出そうとすることを辞めたいという校長先生の課題に向き合い、それを解決する為の方法として、体育館で絵を描きながら自分の想いを表現するワークショップを実施したケースです。とても子供たちがイキイキしており素敵でした。

ワークショップ実施後は、小学生たちが自らグラレコ部を創ったり、普段の授業のノートで、ノートを取る時に自分なりに歴史上の人物に解釈を加えながら書いたりし始めた、ということでした。

ここで興味深い点は、2点あります。1点目は、既に存在する概念に、自分なりの解釈を加えるように書き始めることを提案することで、受動的にただただ理解に努めるだけだった姿勢が、能動的に創造する姿勢に変容させたことです。

もう1点は、本講義の主題でもあるノートの概念を解放させることで、きれいにノートを写す対象物から、はみ出しても絵を描いても良いものであり、自分の解釈をつけて書いて良い対象物だという創造性を小学生が発揮したことです。このことから、ノートという非常に一般的なモノを対象にしても、その固定概念をを解放させるということで、新しい価値の創出や行動に繋がるという点です。大人になればなるほど、ビジネスにおいて顧客に提供する商品やサービスの価値を固定しまう中で、意識的にその言葉は意味する価値の概念の解放に挑戦してみることで、創造性に繋がると感じました。

もう1つケースを紹介します。梅光学院の新校舎を創る取り組みで、建築家の方と一緒に先生や生徒が共に学びたい場所をディスカッションしながら理想の場を描いて、社会との関わりも持ちやすい学び舎を創られた非常に興味深い取り組みです。 http://www.baiko.ac.jp/university/juken/crosslight

こちらで興味深かった点としては、共創という形で新しい学び舎を創られる際に、どこまで生徒たちユーザの声を聞き、どれほど建築家として良いデザインを貫くのか、という線引きに関してです。

ユーザの声を聞きすぎると良いデザインから逸脱する、一方で、建築家として良いデザインを貫き続けるとユーザにとって使いにくいモノがある、といった状況がある。そのような状況の中で、三澤さんがおっしゃったコメントは、未完成であることを意識すること、余白をユーザたちと創り上げて共創の仕上げを行うことが重要だということです。創造的なアイデアは、一社会に受け入れられてこそ、使われてこそ価値があるということだと認識しました。

これができるかどうかで共創の成功、すなわちそのものがそこに存在し続ける意味をもたらすことができるのだと実感しました。

本日の学びを活かし、日々の生活やワークの中で自分の頭の中で固定化されているモノや言葉の概念を解放し、別の色々なものに例えてみるという小さな頭の体操と例えてみたものを表現してみる手の体操から試してみたいです。リフレーミングですね。また後日それによって気付けたものを紹介していきます。

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