見出し画像

リーダシップとは知恵を血肉に、何より人生観を持つことから|佐伯 基憲さん

9月25日、武蔵野美術大学 大学院造形構想研究科 クリエイティブリーダシップコース クリエイティブリーダシップ特論 第12回の授業内にて、元三井物産役員の佐伯基憲さんのお話を聴講しました。

デザインはあくまでも手法。デザインをする原動力が何なのか?なんのためのデザインか?を明確にする必要がある、その前提部分であるビジネスの目的感、もう少し広い意味で言う人生観の重要性について語ってくださいました。

人生観、響きとして難しいですよね。人生と来たもんだから、60くらいにならないと語ってはいけない感がある。年輪を重ねた人だけが語ってよいものであり、経験を積んでいない人が語ってはいけない、そういう風潮が日本は特に強い気がする。ですが、決してそうではなく、誰しもが持ち得るものであり、身につけられるものでもあると思います。しかし、人生観は持とうと思って持てるものでもありません。スキルとして身につけようとして身につけられるものではありません。では、いかに身につけるか。

まずひとつ重要なことは知識だということ。知識がないと知恵はつかない。変化は常態であるため、変化に対応し知識を習得し、それを知恵に変えていかなければならない。逆を言えば知識を沢山身につけもそれが知恵に転換されない限りは意味がない。知恵にして血となり肉となっていく過程で、自分自身の人間が磨かれていき、人生観が形成されていくとのことでした。

本を読みなさい、と多くの親や先生は言いますよね。課題図書という言い方もしますよね。入社前の学生はよく就職活動中になんの本を読めばよいですか?とも聞きますよね。私はいつも思います。課題として与えられた本を読んでいる時点で、内容がわかったとしても、知識にしかならないため、読む必要ないよ、と。知恵になるような局面で自らの興味を持って知識を習得しなければ意味がないよ、という考えを元より持っており、共感ができました。

知恵を血肉に変えていくことで人生観につながる。その人生観を持っている人こそがリーダーシップを発揮できるのであり、物事を成し遂げる素地ができるのだということ。
相対する言葉として、マネジメントができることとの違いがそこにあるのだとのことでした。最近は年功序列という概念もおさまり、若くして管理職についたり、若い方が企業の社長として経営を行うなどあちこちで起きていますが、マネジメントはしていてもリーダーシップを発揮できず苦労している方もいますね。この違いを意識して役職に甘んじずお仕事をしていかなければなりません。

最後に、お話の中で一番興味深かったことが、佐伯さんの若かりし頃のお話。時間は自分で作るもの、という信念で、英和辞書を片手に和英辞典を片手に通勤中に勉強していたとのこと。なんでもすぐ調べるという姿勢と好奇心、執着心と持続力を見習わなければならないと思いました。スマホを片手に持つと気が散るこの世の中だからこそ、意識して過ごしていかなければと感じました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?