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自らの資本を活かす聴き力1

会話が成立していないなと感じることは無いだろうか?自分の親は、何故、このように石頭なのだろうと、自らの欲求に対して聞く耳を持たない状況を歯がゆく感じたことなないだろうか。親子の会話においては、親側が敢えて「子の我儘は聞かない」という人生の教訓というか、知恵の伝承という意味合いもあるかもしれないので、ここでは少し脇に置いておく。
 
ビジョンを共有でき、価値観を等しくする者同士であっても、主張が異なるのは当然のことである。同様の価値観を有するからこそ、活きた討論が可能となるのだ。異なる主張を交わし合いながら、共通の目的を抱き、共創関係となることが出来る。さらっと書いてしまったが、これはバックキャスティングを自在に操れる者同士の、高等対話である。簡単なようで、これは極めて難しい。経験上で思い出して頂きたい。互いの主張を交わし合う時、如何にして相手に自らの主張を飲ませるか、そして、相手の主張を打ち砕くかに集中している。この状態においては、相手の主張を論理的に解釈するよりも、感情的に心に壁を作ってしまって、共に平行線をたどることになる。ゴールが未来にあるならば感情は表に出す必要はない。感情は今の心のあり様であり、何故、怒りの感情が湧いてくるのかを冷静に判断することが出来たとするならば、それは過去の事例を基準としたフォアキャスティング思考の状態にある。若いビジョンの語り手が陥りやすい落とし穴である。