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三人称価値を目指すべき

自らが「今」価値を感じたとするならば、期待されるのは今からその価値がどれだけ持続するかであり、それにお金を支払うかどうかを決めることになる。『自らに』価値をもたらすという感覚は、これからやってくる新たな期待感を充たす可能性に投資をしたくなる気持ちの表れである。両者の差異は極めて大きい。

価値の提供者においても、「今」の価格競争を勝ち抜こうとしている商材か、次世代、次々世代の機能をイメージして挑戦的に販売しようとする商材なのかの間には、極めて大きな微分値が存在する。自社が満足と考える商材であれば、それは一人称の価値である。独りよがりの商材である。ペルソナを描き、そのペルソナを満足させたいと考える時、それは二人称の価値である。さらに踏み込んで、ペルソナに感動を与え、行動を喚起し、その感動が広がっていく様を描けたとするならば、それは三人称の価値である。技術は三人称の価値を提供することを思考して開発されるべきである。そしてそれこそが多くの賛同を得て市場の顧客シェアを獲得していくこととなる。

 購買者の観点で考えれば次のように考えることが出来る。一人称の価値は、自分自身にとって、他と比較し得ない程に尊いと認識できる「もの・こと・場」である。二人称の価値は、他者に対して一人称の価値を提供したことで、その感動の共鳴が二人の間に価値による場が共創される。三人称の価値は、二人称価値が、一人称では認識出来なかった範囲に伝播し、共鳴によって共感の場が拡大し、共鳴し合った人たちに共通の価値を活させる場が共創される。即ち、価値が市場を獲得している状態となる。