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変化の決断を!

IMDの国際競争力分析データを見るまでも無く、我が国の活力の減退が加速していることは実感できる。ドルやユーロに対する没落は、投資先として魅力が失われたことを如実に表している。海外に責任を転じるのみでは無く、足元の産業貿易輸出割合の内、ハイテクノロジー分野を見て見ると、2000年度の25%程度から顕著に減少に転じ、2012年以降、15%前後と低迷している。他国との比較は総金額量が異なるので割合の比較は気を付けなければならないが、世界は日本にハイテクノロジー(医薬品、電子機器、航空・宇宙)分野の商材を求めていないということの表れである。

それを気にしてか、政府はやたらと「ベンチャー企業のユニコーン化」を求めてくる。ユニコーンの誕生が、あたかも経済力失墜のV字回復力の切り札と言わんばかりに。IMDのデータをお借りすれば、我が国が上位に食い込んでいる数値もあって、それは失業率が2.6%と世界7位の低さを呈していることにある。低失業率は社会の安定性に直結しているから、それは悪しきことでは無い。しかしながら、コロナ禍がはじまった際に実施した、42兆円にも及ぶ、いわゆるゼロゼロ融資で、返済不能な企業に対して、福祉政策と称して、更に猶予措置を作り込む日本の在り様は、亡国の階段を上る努力と映る。

失業率を下げているのは国内外に対して競争力及び収益力が劣る産業、そしてそれに関わる企業に対して税の優遇、補助金給付を行ってきたからだ。産業・企業の新陳代謝を停め、結果として新しい産業への挑戦、そして人材の最適配置を阻んで来た。国家の品格を高める上で、失業を絶対悪とみなさないCo-Beingな世界観を醸成するべきである。