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バックキャスティングに向けて

共鳴価値はそれを価値と認める顧客の行動変容をもたらす。価値観との共鳴により新たな活動が喚起される。これこそがOutcomesであり、究極のビジョンからのバックキャスティングこそがOutcomesをもたらす所以である。このビジョンからバックキャスティングによって描き出すストーリーは、全て未来に生じるイベントから構成される。

バックキャスティングという「表現」が世に出てかなりの時間が経過しているが、我が国において、バックキャスティング思考によって非連続な共鳴価値を生み出そうという取り組みはスタートアップの方々の独壇場となっている。大企業はそれらの実りを刈り取ろうとやっきになり、国家財政担当者もユニコーンが雨後の筍の如くに発生することを盲信している。

インフラの如くに拡散したGPTというシステムやそれを支えるエレクトロニクスのように、数百兆円の市場が当たり前のように生まれ出と思っている。わが国では月面探査に5年間で1兆円の予算というが、海外では1年で数兆円は当たり前である。竹槍で月は落とせない。ならばことなる文化を描き、日本らしさを追求するが良い。我が国の価値観とそれを守る哲学が国民から欠落しているのではないか。ビジョンを描けない体質になっているのではないかと危惧する。