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人材育成こそ

MOTの根本的考え方は「社会が獲得できた『素晴らしい社会を支える技術』に、相当の対価を支払っている状態を実現すること」である。良品廉価を実現することではない。すると相当の対価を得ようと生産者が考える時「素晴らしい社会」をイメージして、それを実現するためにどのようなことの実現に寄与できる技術を作り込めば良いかを考える必要がある。将来の状態を想定して、そこで機能を発揮し、人々の喜びを喚起し、素晴らしい社会となっていくストーリーから、開発するべき技術の機能を決めていくことになる。技術が獲得できる正当な対価は、このように将来の幸せの状態から今を見つめ、その今の状態を基準として「その技術があったからこそ到達できた幸せ」という変化量に与えられるものである。

我が国においてはトップが「給料を上げろ!」と叫び、上がった分以上に物価が上がって、結局生活は苦しくなるという状況に陥っている。それは海外が正当な対価を支払って頂けるものづくりをしていないからだ。円安は国安である。諸外国から侮蔑される円安である。価値を産めない国認定を受けているようなものだ。それは技術を生み出す教育に投資をしないからだ。幸せを生み出す技術は未来にある。そう信じて人材育成に投資をするようになれば、諸外国から価値ある国として認定される。そこに到達するための技術経営である。技術を生み出す人を育ててこその経営である。