かたつむりのじかん
ざわざわあめ
ざわざわ織物ほつれ
ざわざわ糸ははがれて
ざわざわ森につぶやき
ざわざわ
薄青い精たちの
ふぁやふぁや立ち昇る
あわい煙
たおやかに
ふぁやふぁや
水晶の対流
シルキイ
匂いは・重く
低く流れていく
ざわざわ......
水滴
ぱたぱた触れている
つむじに触れている
経糸を伝ってきている
ぱたぱた
水滴
考えるのと同じ速さで
地面にすいこまれていく
見えるようになるよね
そのうち
足も
こんにちはしなければ
さよならもできないからね
ただ黙っていた
ただだまっていよう
しばらく
ぱたぱた......
触れるものはすべて
黄金になる
ぱたた
やわらかな絹が降る
この森で
はたはた
くらすわたしたちの
すべて、は
はたはた
もしくは
そう、なる
透明な先端をのばして
まっすぐ言うのだった
はたはたはた
ぱたん
ちょっと当たって
ちょっとひっこめる
さっきのことだけど
だいたい、そう
カミの御代––––
はたはたはた
はたはた
おおきなおおきな断
(わたしとあなたが
とくにもかわりなく
おんなじになるくらいの
ことがあった)
絶
のまえ
にもあったし
はたはた
ゆらぎ回旋する波
うねり繰り返す
波
どこからともなく
わたしの消化器をゆらす
わたしの心臓をゆらす
わたしの殻がすっかり
物語ってしまうように
そういうふうに
できているって
はたはたはたはた
あなたのはやい足も
そうだからって
半透明の膜の
細かいレース模様
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