出立の前に

青い門番
門はずっと前に崩れてしまったが
まだそこに立っている
傘が風にあおられて押さえるも飛んでいく
痛いくらいの陽射しが
ひしゃげた空き缶の内側を曝している
耳を塞がなくても
もう歩いていけた
塩粒の砂浜の上
毒蟻の行列と
しゃがんでいる私の図が
額縁に収まっている
蟻の行列の先で
顔のない誰かが待っている

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