喫茶店の挿絵

雨は矢印

凸レンズの焦点の私
黄色い電燈の光線たちが
瞳の中で再び出会い
そして私が受け止める
日に焼けた本のインクが
淵のように深い

断面図、カリカチュア
カップの中には
フォームミルクがつぶれない
くらいの僅かな
けれど確かな地層
五秒前にもここにいた証
見えない四つの軸と暮らす
黄色いカップ、黄色い光、黄色い数字
で構成された両手、図として眼差す経験
統合された世界の中で
あくまで光の焦点として
無数の宇宙が弾ける音に
耳を澄ます

短歌や散文詩、曲を作ります。スキやフォローしてくださる方本当にありがとうございます、励みになります。ブログもやってます。