遠くにみえる木、繰り返される妄言の泡泡

ああ
からっぽ
からっぽ だ
なあ
もう
ひねりだせるものも
なにものこっていな
いなあ
なにか
なにかの
いとがきれたみたいだ
なあ
からっぽ

なあ

くうき
くうきがあお
いなあ
あおいくうき
年は
もうおじいちゃんになって
おじいちゃん

おだやかに
隠居している
目を細めて
新しい子のうまれるのを
やすらかに まっている
なあ
くうき
くうきがつめたくて鼻腔を焼いているよおねえちゃん
おねえちゃん

おねえちゃんは
かみがちゃいろでふわふわで
こしまでのびてる
おねえちゃんのめはあかむらさきで
ゆるくゆらめいてる
おねえちゃんは こくぶんがくを
せんこうしている かみでかくれたひだりめのしたにほくろがあるおねえちゃん

おねえちゃんとこたつにはいって
おねえちゃんはみかんをむく みかんのかわはぷしゅっと「とぱあずいろのこうきをだす」

おねえちゃんは「数学は難しいね」といって
わたしのかいたすうしきのかみを
絵のようにながめてく
れるそしておねえちゃんはぴあのをひかないきゃしゃで長い指でわたしのかみを梳いてくれるおねえちゃんの
ては
ほんのりつめたくてしっとりあたたかい

おねえちゃんはかていきょうしをしていてこぶんをちゅうがくせいにおしえているわたしは
それが
にくい

それをしっていてだまっている
おねえちゃんは
わたしのいろんなところをさわる
ゆっくりしぜんなきれいなつめで
いろ
んな

ころいろん
なと
ころを
さわる
かみがふれていやじゃないのはおねえちゃんだけだ
おねえちゃん

おねえちゃん

ああ
あたたかい
あたたかいなあ
わたしは いっしょう
こうしていたい

おねえちゃん
ねえ
おね
えちゃん
おねえちゃん
はいがおもい
あのこのまぶたがしろくひかってい

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