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本を読むこと  ~ 本を読む目的 ~

子供の頃、母が私に与えた遊び道具は本(漫画含む)とレゴでした。

ファミコンブームが到来し、各家庭にゲーム機1台の時代、私は自分でアルバイトしてお金を稼ぐまでゲーム機を持ったことがありません。

ゲーム機は一向に買ってくれない、けれども本だけはおねだりすれば買ってくれました。

なぜ、本を読むのか、小学生の私にそう聞いたら、たぶんそれしか楽しみがなかった、それだけは買ってもらえたからと答えるでしょう。

そんな幼少期を過ごし、スポーツに打ち込むようになってからは本との距離も離れていきました。

やがて、仕事をするようになり、ふと暇つぶしに立ち寄った本屋で手にとった1冊、いままで立ち寄ったことのないビジネス関連のコーナーで出会ったのは「心構えが奇跡を生む」という自己啓発本でした。

なんとなく「自己啓発」という言葉に怪しげな、詐欺の匂いを感じており、それまで見向きもしなかったのですが、本の中には自分が今まで「なんとなく」やっていたこと、大切にしていたことが「言語化」され、その意味について書かれていました。

そう思うと、今まで指導されてきたこと、スポーツで培ってきたこと、友達が言っていたことは「こういうことだったのか」という「わかった」感と「納得」感があったのです。

それから、読書沼にハマッていき、本の紹介をしてくれるFBの友達や書評サイトでおすすめされている本などを中心に読みすすめ、気づけば15年、年間30〜50冊程度の本を読むようになり、読んだ本の合計は500冊程度となりました。

なぜ「読書」が必要なのか

いま、なぜ本を読むのかと問われれば、
私の読書の目的は、

1.知識と考えの幅を広げること

2.自身の考えを言語化すること

3.勝手にメンター

の3つが挙げられます。
それぞれについて、詳しく説明していきます。

1.知識と考えの幅を広げる

専門職なので専門書や専門のジャーナルを読むことは多いですが、そればかりだと考えの幅が狭まってしまします。

私の仕事は疾患や障害を扱うのではなくあくまで相手は疾患、障害を抱えた「ヒト」です。

疾患や障害を抱えた「ヒト」の全体像を把握するためには、疾患や障害、治療に関する知識だけでは難しいと感じています。

よって多角的な視点を持ち、知識の幅を広げることができる読書は仕事のスキルアップや問題解決にも有用なツールとなります。

また、専門職につくと社会人としての一般的なビジネススキルが身につく機会が少なく、組織の運営や職場環境作りなど、専門業務以外の管理業務が経験則によるものに偏り、管理者次第になってしまいます。

優れたセラピススト=優れた管理者といかないのが現状です。

ビジネス書や古典、哲学、歴史などにより経営やコーチングスキル、マネジメントを学び、基本的でロジカルな知識を身につけることは、専門職ほど必要だと思っています。

ここで良く読むジャンルは健康科学関連、ビジネス書、哲学思想書などになります。

2.自分の考えを言語化する

自分が思い描いていることや悩んでいることはイメージとしてあるが自分の浅い知識や語彙力では言語化するのは難しいことがあります。

言語化することで思考を整理してイメージをはっきりさせる、自分の言いたいことの細かいニュアンスを伝えることなど、つまりうまく自分の考えをアウトプットできるようになれば人間関係を円滑にすることができると思います。

コミュニケーション力は人間が生存競争に勝つため進化させた根源的な能力の一つです。

優れたエッセイや詩、言葉を大事にしている文章に触れることで言語化のスキルを磨いています。

このジャンルでは、文筆家のエッセイ、詩集などを好んで読んでいます。

3.勝手にメンター

自分の人生を左右するメンターに出会うことはめったにないことだと思います。

しかし書店に行けば様々なジャンルのメンターがいます。

自分の気に入ったメンターの思想に触れ、勝手に教えを請うて、生き方を模倣することは、自分の視野と生き方の幅を広げてくれます。

また、本は現在、生存していない人も勝手にメンターとして登録することができます。

私の勝手にメンターはチャップリン(喜劇家)、角幡唯介(冒険家)、松浦弥太郎(作家)、森 博嗣(小説家)であり、それぞれ考え方も生き方も違います。

ここで選ぶジャンルは自伝、ノンフィクション、エッセイなどになります。

本を読むこと

本を読むことは世界を広げることとイコールです。
私たちが世界を理解するためには「言語化」が必要です。

言語化するための「語彙」を増やすこと、世界を表現するための「記述方法」を学ぶこと、「他者」を理解し、自分と違った視野で世界を眺めること、読書はその3つを効果的に学ぶことができ、自分の世界を拡げることができます。

世界で最初の本は6世紀初め、修道士が、羊皮紙(羊の皮で作った紙)を半分に折り、羽ペンで聖句を書き写し、それを4枚おきにひもでまとめたものだと言われています。

 それから1500年、数えきれないほどのヒトが世界を記述し、本を残してくれました。

おかげで私たちは誰でも世界を理解して、生きるために必要な知識を身に付けることができます。

読書をする習慣のある人は全年齢では約4割となっており、30歳以下で特に少ないようです。

つまり読書をするだけで、ヒトと少しだけ差がつけることができます。

読書量と年収は比例関係にあるとの話がありますが、科学的に因果関係が証明されたわけではありません。

ただ、読書は「問題解決」に役立つとされ、仕事における評価はこの「問題解決能力」にあり、年収に繋がる可能性はあると思います。

また、『Social Science and Medicine』誌に発表された研究では、被験者3,635人を、まったく読書しないグループ/週の読書時間が3.5時間以下のグループ/週に3.5時間以上読書するグループに分け、年齢、性別、人種、教育、経済力、既婚/未婚、鬱傾向などの変数について検討しました。

読書は長寿のための重大な要因であることがわかり、週に3.5時間以上読書する被験者たちは読書しない被験者に比べて23%も死亡する確率が低かったのです。

実際、読書好きは丸2年も寿命が長くなりました。

このように「本を読むこと」には様々な効果がありますが、結局のところ単純に「楽しい」ということが一番だと思います。

自分の知らない世界を知る喜び、楽しさ。

これが「本を読むこと」なんだと思います。

まとめ

本を読むことは語彙を増やし、言語化することで理解できる世界を拡げることである。

知識の幅を広げ、その点を繋げることで仕事にも生活にも活きる知恵を身につけることができる。

多くのヒトの価値観や考え方、生き方を知り、模倣することで世界の見方の幅を拡げることができる。

本は世界を知り、世界を拡げる喜びを与えてくれる。

言葉の限界は世界や思考の限界でもある

ウィトゲンシュタイン(哲学者)

以上、自分の読書の目的についてまとめてみました。

「本を読むこと。」では、本の選び方など方法論的なお話や実際に私の人生に影響を与えた本についてご紹介していきたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

本を読む意味を知るための読書

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