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会社を辞めればすぐに元気になると思っていたけれど

うつ状態に陥って、苦しくて苦しくて、感情も思考もおかしくなってしまって、

「こんな状態になっているのは、これまでの生き方が間違えていたからだ。僕の居場所はここではない。人生をリセットして、1からやり直すしか、この状態から抜け出すことはできない。」

そんな風に考えた会社を辞めた僕。

会社を辞めた時の爽快感、解放感はすごかった。
これでもう、僕はすぐにでも元気になると思っていた。

でも、「うつ」というやつは厄介だった。
すぐに元気になるどころか、会社を辞めたら起き上がれなくなってしまったのだ。

最初の1か月の記憶がない

僕は、会社を辞めたらやりたいことがあった。
それは、小笠原諸島に旅行に行くこと。

僕は、若いころから旅行が好きだったし、仕事の関係で離島に行くことが多くて、離島ののんびりとした空気がとても好きなのだ。

小笠原諸島は飛行機で行くことができない。
船だけが唯一の交通機関だし、しかも、東京から27時間もかかるのだ。
(※今は24時間らしい。)
しかも、一週間に一往復しかしないので、一度行ったら一週間は戻れない。

そうなると、最低でも1週間の旅行ということになるので、それなりの準備が必要になる。

しかし、それだけのエネルギーがなかった。
すぐには動けなかったのだ。

何せ時間はたっぷりあるのだ。
まずは、元気になってから動き出そう。
そう思ったのだ。

しかし、気がついたら一か月以上が経っていた。
その間の記憶がほとんどない。

いったい僕は、その間、何をしていたんだろう。
おそらくずっと、家で寝ていたんだろうな。
本当に記憶がないんだ。

行動を起こしたのは一か月半後

もちろん、すべての記憶がないわけでないのだけれど、振りかえってみると、あっという間に一か月半が過ぎてしまった印象なのだ。

それくらい、何もしたくなかったし、何もできなかったというほうが正しいと思う。

会社を辞めてから次の記憶があるのは、約一か月半後の5月半ばのこと。
大学時代の飲み友達に連絡をして、当時住んでいたアパートのそばの飲み屋に行ったことだ。
僕のこと心配してくれた友達が、家のそばまで来てくれたのだ。

まずは少しずつ、活動を開始しようと思った。
最初の活動は、気の置けない人が良かった。
社会活動のリハビリのつもりだったのだ。

久しぶりに大学時代の友人に会うことができて、少し社会に戻ったような気がした。

嵐を告げる一本の電話がかかってきた

友人と飲んだ帰り道、ほろ酔い気分で道をふらふら歩いているときに、突然携帯が鳴った。

その電話は、次の嵐の始まりを告げる電話だったのだ。

人生を大きく左右する出来事は、突然の目の前に現れる。
一緒に働いていた人が交通事故でいきなり無くなった時に、僕はそのことを学んでいた。

だから、この電話を受けたときに、「ああ、またか、こういうことって向こうからやってくるんだ。」と思った。
そう思うことで、僕は驚くほど冷静でいられたのだ。

(つづく)

自分がうつ状態に陥って、そこから這い上がってくる過程で考えたことなどを書いています。自分の思考を記録しておくことと、同じような苦しみを抱えている人の参考になればうれしいです。フォローとスキと、できればサポートをよろしくお願いします!