おはぎ

もうすぐ春のお彼岸なので、おはぎについて書こうと思う。


皆様はおはぎといえば、何を思い浮かべるでしょう。

私は祖母を思い出す。


祖母は彼岸の時期になると、いや違う時もあったかもしれないけれど、必ず大量のおはぎを作った。

一つ大人のこぶし大くらいの、大きくて、甘くないきなこのおはぎ。

中に入っているあんこも外のきなこも多分ほとんど砂糖が入っていなかった。全く入ってないこともあったと思う。

そのおはぎはずっと私の好物と認識されていて、晩ごはんに白米の代わりに出てきたり、お昼ごはんにいくつも食べるよう促されたり、それはそれはよく食べた。祖父母の家で食べ切れない分は持ち帰って実家の冷凍庫に入れられ、いつ何時でも出てきた、なくなるまで。

私はいつおはぎを好きだと認識されたのだろう。それは定かではないが、私は今もおはぎが好きで、自分でも作るし、お彼岸関係なくよく買う。


そんな祖母が亡くなって数年経つ。

買ったおはぎの方が正直美味しい。自分で作ったものも砂糖をしっかり効かせて、甘いあんこの甘いおはぎになる。

でもやっぱりあー食べたいなと思うのは、あの大きくて味のあまりしない、祖母のおはぎ。

ばあちゃん、化けていいから出てきて作ってくれないかな。

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