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活かせる余裕が自分にあるか

アメリカのホームドラマなどを観ていると、クリスマスには本物のもみの木が部屋の中にでんとある。様々な飾りで彩られ、木の下には大きな箱のプレゼントがこれでもかと並んでいる。あの箱の中にはべらぼうに甘いアメリカンなお菓子の詰め合わせが入っているのだろうか。
 それはさておいて、子どものころの我が家にもクリスマスツリーが飾られた。大きさは70センチくらいだろうか、珍しくホワイトクリスマスを想定した白いクリスマスツリーだった。クリスマスが近づくと、小さな飾りや電飾での飾りつけを楽しんだ思い出がある。
 そして今、我が家には小さめの窓にカーテンのごとく吊るされた布がある。布にはもみの木が描かれていて、4月に入ってなお変わらない姿でそこに生えている。もちろん季節外れではあるが、別に飾りも電飾もつけているわけではない。青々と茂った葉を抱えた木がそこにあるだけなのだ。つまり、さして違和感もなく、完全に部屋になじんでいる。これはこのまま次のクリスマスを迎えることになるはずだ。
 こうして、クリスマスにあわせて買ったはずのものが、4月になっても使えているのだからおもしろい。一方で、高い買い物をしても、なかなか使う機会がなく、眠らせてしまっているものがあることを思い出す。使う機会を自らつくらなければ使う日が向こうからやって来ることはない。それこそ「もったいない」というやつである。ものをもつことが悪いとは思わないが、どうせならちゃんと使ってあげたいと思う。つまり、「それを活かせる余裕が自分にあるか」を把握して買う必要があるのだ。そんなことは当たり前のことだけれど、今自分の手元にあるものはすべてが必要なものではないはずだ。当たり前と知っていても、ちゃんとできるかどうかは別で、考えることをもっと大事にする必要があると思った。
 もちろん、いいものは長く使える。いや、長く使うためにつくられたからこそ、いいものといえる。これからじぶんが身につけるものは、これまで以上によく考えて買いたいと思うのだ。
 

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