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不登校からの進路選択 全国をキャンパスに自分のよさを見つける「さとのば大学」の魅力

 「不登校からの進路をどうすれば?」多くの方が悩みますよね。今回は、特定のキャンパスを持たず、日本全国のさまざまな地域に留学するなかで学ぶ市民大学「さとのば大学」を紹介します。2023年11月1日に同学が開催したオンラインイベント「さとのば生に聞く! なぜ通信制高校から旅する大学へ?」の抄録を掲載。通信制高校からさとのば大学へ進学した学生が、進路を決めた思いや今の学びのようすを語りました(※写真左、中山珠緒さん 同右、佐藤花奈さん)。

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 こんにちは。さとのば大学・副学長の兼松佳宏(以下、兼松)です。今日は通信制高校出身の2人の学生に、さとのば大学に入った理由や道のりについて発表してもらいます。

 さとのば大学は2019年に開校した新しい学校で、現在学生が11名います。一般的な大学とは学びのスタイルがだいぶ異なります。学校へ行って講義を聞くというような受け身の学習や、テストはありません。学生は北海道から九州まで全国15カ所の、さとのば大学の連携地域から暮らしたい場所を選んで地域留学し、自分の目で地域の課題を見つけ、その課題解決に向けた企画を考えることで学びを深めていきます。

 メインとして位置づけられている「旅する大学コース」の期間は4年間。1年に1地域に滞在し、4年間で4つの地域を巡ります。ふだんの学生生活では、週に3日、地域共創を専門とする講師とオンラインでディスカッションを交わしながら、地域との関わり方を学びます。そしてそれ以外の時間で町歩きをしたり地元民に話を聞いたりして、自分の興味と照らし合わせながら地域のために何ができるかを考え、実行していきます。

 では今から、1年生の佐藤花奈さん(以下、佐藤)と中山珠緒さん(以下、中山)にそれぞれお話しいただきます。まず佐藤さんからお願いします。

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