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軸索輸送の速度

 神経細胞内でみられる軸索輸送には、順行性軸索輸送と逆行性軸索輸送とがある。
 
 順行性軸索輸送ではモータータンパク質として「キネシン」が、
逆行性軸索輸送では「ダイニン」がモータータンパク質として働く。

 順行性軸索輸送は、「速い流れ」、「中間の流れ」、「遅い流れ」の
3種類に分類される。逆行性軸索輸送は1種類である。
 
 順行性軸索輸送の「速い流れ(100mm~400mm/day)」では、
神経伝達物質や膜構成物質などが輸送される。
 順行性軸索輸送の「中間の流れ(60mm/day)」では、
ミトコンドリアが運ばれる。
 順行性軸索輸送の「遅い流れ(100mm/day以下)」では、
微小管などを構成する細胞骨格系のタンパク質が輸送される。

 逆行性軸索輸送(100mm~200mm/day)では、
代謝産物やリソソーム、一部のウイルス(ヘルペスウイルスなど)が輸送されることが知られている。

(参考文献)
軸索輸送 竹中敏文 日本バイオレオロジー学会誌(B&R)第1巻 第4号、1987
人体の正常構造と機能Ⅷ 神経系(1) 河田光博・稲瀬正彦 著 日本医事新報社









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