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074話:踵のフィッティングを考える

今回は、自分が比較的フィットしていると思っている靴と足で、踵の幅がどう違うのかを定量的に検証しようという試みです。

◆計測結果

自分の踵幅と、靴内部の踵幅の違いを測ってみました。

まずは私の左足の踵幅、61mm。これが基準になります。

次にイタリア・ボノーラのローファ。サイズは6です。個人的には、フィッティングとしてかなり気に入っている既成靴です。

(写真では見にくいですが)64mmでした。私の踵幅61mmより広く、抜けるように思えるのですが、サイズ6(私の足は7.5)と大幅にサイズダウンして履いているため、甲の押さえが効いているため抜けることがありません。

次は一番フィットする既成靴である、アンソニークレバリー7Dです。

55mmでした。この靴は踵から土踏まず内側へつながるラインを、いつも気持ち良く捉えてくれます。やはり、私の踵幅61mmより大幅に細くなる結果となりました。

さて、ここからがZinRyuが削った木型の靴です。3番目はスクエアトゥの木型。

53mmでした。フィット感は自分の足に合わせて削っているので、言及するまでもありません。

4番目はZinRyu作のラウンドトゥの木型の靴。

52mmでした。スクエアでもラウンドでも、そこまで変わらないのは当たり前ですね…。

おまけで、妻が履いているファビオルスコーニのハイヒールパンプス。

53mmでした。ちなみに妻の踵幅は57mmで、このパンプスのはき心地が気に入っていると言っていました。

◆実験結果の考察

・靴内寸の踵幅が実足より小さい方がフィットする傾向
・最大で10mm近くまでは、靴内寸の踵幅を実足より狭めて木型設計することが可能であると考えます。
・靴内寸の踵幅が広い場合は、足長をダウンさせて甲のテンションを高める方法もあります。

皆様も、ご自身の踵幅と、靴の踵幅の関係、今一度チェックして感がてみてはいかがでしょうか。

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