『旧市町村日誌』28再出発 文・写真 仁科勝介(かつお)
11/18(土)曇りと晴れ
おばあちゃんの命日。年賀状用の写真と題して家族写真を撮る。『東京ヒゴロ3』のラストに思わず涙。
11/19(日)晴れ
『夜と霧』を読んだ。ぼくなんかが簡単には感想をまとめられない、生きることの意味の記録。
1ヶ月前の写真を振り返っていると、「まだ1ヶ月しか経っていないのか」と思った。よくあるのは、「もう1ヶ月経ったのか」という感覚。その逆だ。理由は明らかで、旅が日常のようでありながらも、体験としては新鮮で新しく、時間が長くなっているのだ。
11/20(月)晴れ
吉本隆明さんの言葉から思索を試みる。と言っても、とてもちいさなレベルで。
11/21(火)晴れ
やっと、ブログ更新以外の作業が終わった。ここまで長かった。宅配を出した帰り道、スキップで家に帰る。
11/22(水)晴れ
東京へ移動し、カブの受け取りに行った。バイク屋さんの丁寧さにはほんとうに頭が下がる。カブが喜んでいる。乗ってみると、見違えるほど調子が良くなっていた。このバイク屋さんのおかげで、旅が続けられていると言っても過言ではない。ありがたや。
横尾忠則さんの展示へ行く。そして、物販ブースの横尾さんの著書を開いて偶然読み当たった、佐々木喜善氏が気になる。佐々木喜善さんなあ、遠野物語なあ。
11/23(木)晴れ
東京で残された時間。まずは末広町の美容室に行く。慣れている方だし楽しい。その後、歩いてTOBICHIさんの展示に向かう。途中は神田明神にも立ち寄った。展示ではyacmiiさんとお会いすることができた。それから図書室で探していた本を読む。ギリギリ、制限時間いっぱい、待ったなし。
有明港へ向かう。カブで船に乗る瞬間、特に坂道を上がっていく瞬間が好きだなあ。出港と同時に船が回転し、それと同時に東京の夜景もぐるっと回転し、ゆったりながらもダイナミックで新鮮だった。東京ゲートブリッジを通過するまで外にいた。それから大浴場に入ったら、夜景を見ながらのお風呂じゃないか。おお〜!
あと、船内で私服姿でも、たぶんこの方たちは自衛隊だなあとわかる気がした。たぶん。
11/24(金)晴れ
丸一日、船の上で過ごす。午後には徳島港へ着いた。今回の旅のほぼ最初に利用した港だ。あれから7ヶ月以上経ったのか。でも、逆にまだ7ヶ月しか経っていないのか……。
明日から九州の旅がはじまる。訪れるまちの数は九州地方が最も多い。それを冬に。ここからまたひとつ、がんばりどき。よろしく、九州。
仁科勝介(かつお)
1996年生まれ、岡山県倉敷市出身。広島大学経済学部卒。
2018年3月に市町村一周の旅を始め、
2020年1月に全1741の市町村巡りを達成。
2023年4月から旧市町村一周の旅に出る。
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