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怪談18:供養と夢の女の子

今日は、少し不思議な夢のお話。

つい最近のことですが、憑き物について調べ物をするなか、ご先祖さまの供養をしようと思うようになりました。

きっかけは餓鬼。言葉としては知っていたけれど、実際に興味を持ってみると、餓鬼の中にも色々な種類があり、何故餓鬼になったのか・どのような苦しみを持っているのか・どのような食べ物ならば届くのかなど、それぞれのようで興味深い。

何故餓鬼になったのか?の理由がとても具体的で、そこに過去の自分を見たり、知った人の顔が浮かんだり。思うことは様々だけれど、自分に縁があるご先祖さまぐらい、死んだら苦しみは終いにしてあげたい。

罪を犯す理由は様々だけれど、歴史を紐解くと、そうしなければ生きていけなかった・奪わねば殺さねば、生きていけなかった時代は確かにあって。それを、顔も知らない現代の私がどうこうは言えないし。

お墓にも長く行けていないので、どのようなことができるかなと考えてみた結果、形だけではありますが「お墓に行かなくとも、お茶を用意して手を合わせるだけでも届くよ」と昔出会った方に言われたことを思い出して、7日間の自分なりの供養を行うことにしたのです。

本来は、施餓鬼供養などお寺に頼める供養があります。この時はその縁がなかったため、このようなことをしておりましたが、きちんと頼めるお坊様を見つけてからはそちらにお願いしております。それ以前の話としてご覧ください。

そのなかで、一つの言葉に出会いました。三界万霊。施餓鬼の時に立てられる位牌の文字で、すべての霊に届きますようにという想いのある言葉なのだそうです。

初めは、餓鬼となったご先祖さまのことだけを考えていましたが、実際にそうなればいいなと、見様見真似で文字を添えてみたのですが…それがきっかけか否か、ある夢を見ることになったのです。

お水や飲み物、その夜のご飯などを供え始めてから数日後の夜。

眠っていると、私は夢の中で古びた建物の中を歩いていました。見知った顔もあれば、知らない顔もあり。その中を抜けていくと、一人、外国の女の子が立っています。10代後半、まだ若いのだけれど、何らかの事情でその場が浸水し、皆んなが心を決めて水の中に入っていく…最後の時を迎える中にいる。そんなシーンでした。

赤毛で髪を一つに結んだ、その女の子の番がきて。その子は、水に入りながらも、最後まで物事を見ていようと肺の中の空気を大切にしていました。しかし、その空気を吐き切ったとき…喉の奥の骨が、水圧でボコッと音を立てるのが分かりまさした。その感覚が私にも伝わってきて、少し目が覚めたのを覚えています。

もうあとは沈むだけ…と思ったのですが、次の瞬間には、大きな家の玄関(家の中から見た景色)にシーンが切り替わっていました。女の子は階段を降りて玄関に向かい、彼女のお母さんと思わしき人とハグをして、家を出ます。

ああ、もう魂になっていて、旅立ちのときを見ているのだと思いました。

そこで、もう一人の女の子が出てきます。彼女の友達らしい、黒髪でスラリとした女の子。「見送りたいから、一緒に行くわ」とその子も一緒に、赤毛の女の子と静かな町の道を歩いていくのです。

日の光が暖かく、道の右側には、タンポポの満開になった場所があって。それを見ながらニコニコする赤毛の子を見ながら「最後まで、あなたらしいのね」と黒髪の女の子はついていきます。私も、彼女たちを見守るようについていっていました。

しばらくすると、赤毛の子が走り出しました。ああ、ここでお別れなのだなと思った瞬間、彼女は黒髪の子や私に向かって振り返り、手のひらいっぱいのクローバーを投げてくれたのです。

「私の幸せ、あげる!」

緑の葉が降り注いだかと思うと、次は彼女の手のひらから、いっぱいの小さなハートが溢れ

「私の残った愛も、全部あげる!」

と言って、それも投げてくれました。降り注ぐハートを、黒髪の女の子は受け取りながら、赤毛の女の子を見送りました。そこで美しい音楽が流れて、夢は終わりました。

目が覚めて…なんとなく、精霊供養をしていたから、素敵な夢を見さてくれたのかなと浮かんだのでした。

ただ、一つだけ疑問だったのが、なぜ外国の女の子だったんだろう?ということ。

三界万霊に届けばいいと思いながら手を合わせていたので、知らない国・知らない時代の女の子に届いたのか?

もしそうなら、いいのになと思っています。

ただの夢なのか。どこかの誰かの魂だったのか。それは分からないけれど。なんとなく、『人はこうやって、大切な人に大切なものを残していくのだな』ということを感じて、穏やかな気持ちで朝を迎えることができた一日。

本来始めた目的とは、違ったところに想いが届くこともあるのだな。縁の形も色々ある。あと少し、残った供養を続けて、その中で起こることを見つめてみようと思うのでした。

という、今日は供養を意識したことをきっかけに見た、少し不思議な夢のお話でした。

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