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【読書】論語と算盤: 渋沢栄一の名著を「生の言葉」で読む

7/3、新紙幣が発行されたとのことで。
一万円札にちなんで、渋沢栄一の論語と算盤を解説付きで読んでみた。

かなりの読解力を要する、結構重い本であった。
むずかいしぃ。
少しく(すこしく)…少しばかり、いささか
畢竟…つまるところ、結局、in the end
恭しく(うやうやしく)…礼儀正しく
情誼…人と付き合ううえでの人情や誠意
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まとめ
常識が必要である。
世の中の事はすべて心の持ちよう一つでどうにでもなる。
誠心誠意、勉強しなさい
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以下、自分の学びメモを残しておく
ネタバレ注意⚠️
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○処世と信条
p.35 人は「第一印象」でわかる
子曰く、その以いる(もちいる)所を視、その由る所を観、その安んずる所を察すれば、人いずくんぞ痩さん(かくさん)や
人を真に知ろうとするには、視、観、察の三つを持って識別せねばならぬ
p.51 「蟹の穴」主義
蟹は甲羅に似せて穴を掘る。分をわきまえ分を守る。ただし、進取の気鋭を棄ててはならぬ。
p.56 世の中に大事も小事もない。およそ事にあたっては同一の態度、同一の思慮を持って、これを処理する。
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○立志と学問
p.69 青年時代に正義の為失敗を恐れるのは見込みの無い者で、自分が正義と信ずる限りは、あくまで進取的に剛健なる行為を取って貰いたい。
p.79 角を立てて生きる
如何に人の品性は円満に発達せねばならぬものであるからとて、あまりに円満になり過ぎると、「過ぎたるはなお及ばざるが如し」と、孔子が説かれている通りで、人として全く品位のないものになる。
p.84 勇猛心を養う
勇敢と無謀は違う。
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○常識と習慣
p.91 常識とは何か
即ち、事に当たりて奇矯に馳せず、頑固に陥らず、是非善悪を見別け、利害得失を識別し、言動挙動すべて中庸に適うものがそれである。学理的に解釈すれば、「智、情、意」の三者が各々権衡を保ち、平等に発達したものが常識だろうと考える。さらに換言すれば、普通一般の人情に通じ、よく通俗の事理を解し、適宜の処置を取り得る能力が、すなわちそれである。
p.99 習慣は感染し伝播する
習慣は我儘を伴う。良習慣を養え。
p.103 親切という不親切
志の善悪より所作の善悪が人の眼につきやすい。
p.107 何を「真才」「真智」というのか
常識の発達には、己の境遇に注意する。調子が良いからと我が境遇を忘れて分量不相応の考え・行動をするな。幸いに驕り災いに悲しむのが、凡庸人の常である。
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○仁義と富貴
p.123 よい金の使い方をする
もつ人の心によりて宝とも
  仇ともなるは黄金なりけり (昭憲皇太后)
p.140 相手を選ばずに会う
周公三たび哺を吐き、沛公三たび髪を梳る
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○理想と迷信
p.157 客観的人生観
おのれ立たんと欲してまず人を立て、おのれ達せんと欲してまず人を達す
→自己の為に周りを動かすな
p.158 己の欲せざる所、人に施す勿れ
p.162 利殖と仁義とは一致するものである。
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○人格と修養
p.181 人の価値とは何か→評価するのは困難
善くその人のもってする所を視、そのよる所を観て、しかして後その人の行為が世道人心に如何なる効果ありしかを察せざれば、これを評定することはできぬと思う。
p.193 毎日の心掛けが大切
心の中で決心した事が、ふとした事で変化せねばならぬような事があるなら、宜しく再三再四熟慮するのが宜い。事を急激に決せず、慎重の態度をもって、よく思い深く考える。この自省熟慮を怠るは、意志の鍛錬にとって、最も大敵である事を忘れてはならぬ。
p.200 人の一生は重荷を負うて遠き道を行くが如し
p.209 君子は慎みて以て禍を避け、篤くして以て覆われず、恭しくして以て恥に遠ざかる。
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○算盤と権利
p.216 人に当たっては師に譲らず
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○実業と士道
p.232 商工業は私利私欲を満たそうとするな
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○教育と情誼
p.260 孝行は親がさしてくれて、初めて子ができるもので、子が孝をするのではなく、親が子に孝をさせるのである。
p.263 しかるに、現代青年の師弟関係は、全く乱れてしまって、美しい師弟の情誼に乏しいのは寒心の至りである。
学校の生徒如きは、…講義が下手だとか、解釈が拙劣であるとか…これは一面より見れば制度が昔と異なり、多くの教師に接する為であろうが、すべて今の師弟の関係は乱れている。
今の青年はただ学問のために、学問をしているのである。初めより確然たる目的なく漠然と学問する結果、実際社会に出てから、何の為に学びしやという疑惑に襲われる青年が往々にしてある。
p.279 日に其の亡き所を知り、月に其の能くする所を忘るることなきは、学を好むと謂うべきなり。
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○成敗と運命
p.293 悪者は教うるとも仕方なく、善者は教えずとも自ら仕方を知っていて、自然とその運命を造り出すものである。故に厳正の意味より論ずれば、この世の中には順境も逆境も無い。
p.297 智者は自ら運命を作ると聞いているが、運命のみが人生を支配するのでは無い。智恵がこれに伴って、初めて運命を開拓する。とにかく人は誠実に努力黽勉(びんべん)して、自ら運命を開拓するのが宜い。失敗したら智力及ばず、成功したら智恵が活用されたとて、成敗に関わらず天命に托するがよい。一時の成敗は長い人生、価値の多い生涯における泡沫のごときものである。

今回はただのメモなので、こんな感じ。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます!

また別の記事で会いましょう!

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