見出し画像

絶対おススメの遺言書【再婚夫婦の相続】

残された時間に大切な人を大切に。
相続アドバイザーのつむつむです。

絶対おススメの遺言書シリーズ!
再婚夫婦の相続バージョンです。

今日本では、3組に1組の夫婦が離婚するそうです。
これからこの割合は増加の一途をたどるでしょう。
悲しいことではありますが、離婚を決断した人については、我慢していくよりも幸せに生きる選択肢を選んだことを祝福したいですね。

再婚した場合、相続ではもめやすいので、亡くなる前に十分な準備をしておきたいです。

再婚の時期にもよると思いますが、前妻の子と後妻との間に十分な信頼関係がない場合があります。前妻の子が前妻と同居していて夫が子らを養育していない場合や子どもたちが大きくなってから再婚した場合などには、前妻の子と後妻との間に信頼関係が築かれていないということがよくあります。
遺産分割は、親族である相続人が協議して決めていくことになりますが、前妻の子と後妻とはそもそも最初から人生を共有してきた親族であるという前提が存在しないことがあります。

「法定相続分できちんと分ければいいんでしょ。」

「ダメです。」

法定相続分で分けてももめるのが相続です。財産を管理しているのは、後妻です。前妻の子らは、後妻は財産を隠しているかもしれない、と疑心暗鬼になっていることがあります。どれだけ情報を開示したとしても、もっと財産があるはずだ、と思われてしまうかもしれません。実際、管理している側からは財産を隠すことはそれほど難しいことではないので、隠されていることはよくあります。調査方法も限られていますので、すべての隠し財産を見つけられないこともあります。そのため、できる限りの調査をして、そこで納得するしかないのです。しかし、一般の方には調査はなかなか難しい。結局は、どこかで切り上げるしかありません。

自宅の不動産がある場合も注意です。

自宅は、後妻に残したいと思いますよね。後妻の方も自宅は自分のものだと思っています。
けれど、実際に後妻の方が自宅を取得してしまうと、遺産の中からかなりの部分を後妻が取得してしまうことになるので、残った預貯金は前妻の子らにすべて渡さないといけなくなってしまうかもしれません。全部ではなくて、大部分かもしれませんし、全部でも足りなくて、亡くなった方の預貯金全部に加えて更にお金を払わないといけない場合もあります。

法定相続というのは、こういったものだと理解した上で、納得した上で、受け入れているのであればいいんです。けれど、多くの場合そうではないでしょう。
これを避けるためには、きちんと遺言を書いておくことです。子らの遺留分は侵害できませんが、法定相続分よりは子らに渡す分を半分に減らすことができます。それが公平なのかはわかりませんが、遺言を書いておかなければ、どのようになるのか、そのままでよいのか、それとも別の解決方法が適当なのかは考えておいてほしいと思います。

亡くなる方だけではなく、後妻の方も、夫と生前に十分に協議をしてもらいたいです。その際、遺言を書いていなければどのようなことになるのか具体的に想像ができていなければ、夫を説得できないかもしれないので、事前に相続について勉強をしておくことが大切だと思います。

遺言を書くことが縁起が悪いと考える方もいるんですよね。
それに、後妻との関係もたいせつだけれど、前妻の子らとの関係もたいせつだと思っていたりもします。後妻との関係上、前妻の子らとの距離を置いていたりすることもあるでしょう。後妻に多くの財産を遺すという遺言を書いてしまえば、自分の死後、子らは、やはり子どもたちよりも後妻がたいせつなのだなと落胆するかもしれない。どうするべきか、答えを出すことができないままに、遺言を書かずに、亡くなってしまう。その結果、子らと後妻とがお互いに嫌悪と不信をぶつけあう結果になってしまう。

しかし、誰がどの財産を取得するのか、何も指定せずに亡くなってしまうのはあまりにも酷ではないですか。
後妻に子らと話し合いをして分け方を決めさせるのは酷ではないですか。
お金の話はただでさえしにくいというのに、前妻の子らと夫の死後財産の分け方について話をするなんて。

さて。十分に想像していただけたでしょうか。前妻に子がいない場合であっても、後妻との間に子がいなければ、夫の父母や兄弟が相続に関与することになりますので、ほとんど同じような似た問題が生じることになります。

どのような遺言を書くことが正解なのかはわかりません。
しかし、家族のことを考えれば、遺言を書かないという選択肢はありません。必ず、何らかの結論を出して、どの財産を誰が取得するのかについて定めた遺言を作成してください。

なお、遺言には、遺産以外のことを書くことができます。財産を分けられなかった相続人に対しては、その代わりに、十分に言葉を尽くしてください。なぜ、そのような分け方になったのか理由を説明してください。言い訳なんてかっこ悪いですか。そんなことないですよ。決して、愛情がないから遺産を残さないわけではないと伝えてください。連絡をとっていなかったのであれば、謝罪してください。

遺言を書くプロセスで、相続人への気持ちを確認したら、もしかしたら、亡くなる前に気持ちを直に伝えるべきだという結論に至る方もいるかもしれませんね。

それこそが、「残された時間に大切な人を大切に」することかもしれません。

では。残された時間に大切な人を大切に。

最後までお読みいただきありがとうございました。

つむつむ




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?