徒を拾う(1)
カメラとフィルム、三脚と露出計を携えて出かける。自宅からその日の目的地とした場所まで歩き、途中心動いたもの(こと)を撮影していく、ということを月一回、一年以上続けてきた。今はグレースケールの勉強をしているので絞りとシャッタースピード、EV値などをメモしながら撮影を進める。
熱中症になりそうなほどの汗をかいて歩く。重たい三脚を小脇に抱えるようにして歩く私を、見た人はどう思うだろうか。露出を測っていればビデオカメラと間違えられて前を通ることを遠慮されたり、何でもないものを撮っている時に限って「何を撮っているんですか?」なんて聞かれたりする。(分かりやすいものを撮っていることを想像しただろう、あるいはそこに何があるのかと疑問に思っただろう)心動く被写体を探しているとすぐにエネルギー切れを起こしてしまい、気の弱い私はあっという間にメンタル面でフラフラしてくる。いつもの給水スポット、行きつけのカフェに寄り、すっかり顔なじみになったスタッフさんたちに挨拶したり飲み物をどれにしようか迷ったりしている間に体の火照りもおさまり、万全な状態で甘味補給スタート。
たまたま休憩中のカフェスタッフの友人と近況など話す。昨年末に私の書いたとある文章を読んだとのこと。彼女はその文章を、私らしい、情景が伝わってきた、と話してくれた。そんな嬉しい話を聞いて、また徒然と日記を書きたいと思うのであった。
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