【詩】爪の裏で会いましょう

ほんのささいな、ほんのささいな花瓶をください。大団円をむかえなかった昨日のように、まあるくおさまらなかった明日のように、今日もガビガビ。

落花生というものの、あずき色したペンダント。

もっと遅く、足の裏がガムテープになって、ぺたんと貼りつく、もっと遅く、蟻の行列にも追いこされ、いい天気だなぁ、この22℃を握りしめたり首に巻きつけたりしたい。

しだいに涼しくなってくる。

うたたねの線香花火ぱちぱち、まつ毛まっ黒焦げでもそのままで、もう眠いから誰とも会わない、どうしてもと言うなら苔と会う、毛布と会う、水しぶきと会う、そのペンダントを目印にして、なんならじゃらじゃら鳴らします。

塀の裏は目立つから、爪の裏で会いましょう。

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