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【詩】手袋の羽休め

かぴかぴの割り算とびしょびしょの割り算のすきまに溜まった瑠璃色のふりかけを瓶に詰める作業をかれこれ12年つづけているその道の職人さんがテーブルに置いていった小さな手袋は、みみずくに似ている。

まぶたを閉じて、ぴくりとも動かないのは、きっと寒さのせい。手袋をつけることは空を飛ぶことで、手袋を外すことは木にとまって休むこと。羽ばたきの縫い合わせに、名残惜しさもありつつ。

この手袋に、墨汁を一滴だけ垂らしたい。


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