【詩】ヒッチコックのエジソン

ヒッチコックに会うのはやめたほうがいいと思います。なぜなら、もうエジソンになっているからです。この世界には、およそ500万人のエジソンがいます。そういうエジソンは、手がすべったり、滝から落ちたり、スリランカの大風でハイチまで吹き飛ばされたり、ささくれを海苔巻きのなかへ混ぜたりします。ここだけの話ですが、ささくれとシーチキンは似ているので、顕微鏡をつかってよく調べる必要があります。対物レンズはともかく、接眼レンズはマンドラゴラで、とんでもない大声を出します。もし、隣の家からこんな囁きが聞こえてきたら注意。「今夜のおかずはシーチキンにしようかなぁ。」しっかり耳栓をして、毛布をかぶってやりすごしましょう。ところで、晩年のエジソンはシーチキンのようにモッタリしゃべったと言われています。もちろん、エジソンはエジソンでもヒッチコックのエジソンですから、100人はいることになります。そのタイプのエジソンは、傾向性に沿うようにして、ロングショットを撮ります。ひととおり満足すると、ほかほかの卵を産みます。卵の殻が割れると、中からぽわんとお香のような煙が出てきて、つい、眠くなってしまうのですが。

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