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心理士、ワンオペ育児に奮闘する。

完全ワンオペ生活


夫が先にタイに赴任してから、
核家族の我が家は3ヶ月半の間、
5歳と3歳の娘を抱えて完全ワンオペ体制になりました。

気楽に考えてるふりをしていましたが、
夫が渡泰した途端に、睡眠と身体に不調が出たことを思うと、
内心かなり負担に感じていたのだと思います。

自分の気持ちを考えないようにしていたのか。
単に感じ取ることができなかったのか。

人から「大変でしょ?」なんて言われても、
「思ってたよりメンタルは平気なんだけど、身体がしんどいのよー。」
なんて答えておりました。

そう思っていたこと、思おうとしていたことも事実。

感情の決壊

ただ、
長女(5歳)が胃腸炎で幼稚園で嘔吐し、
次女(3歳)の通う保育園に「迎えに行くの予定より遅くなるかも」と連絡し
(我が家の2人は違う園に通っています)、
長女を病院に連れて行き、
保育園の次女を迎えに行き、
帰宅して夕食を作り、
次女のぐずぐずが始まったとき。

とうとう大泣きしてしまいました。

そのとき出てきた言葉は
「お母さんもしんどいんだよーーーー!!!」でした。

「お母さんもしんどいんだよーーーーー!!!」

うんうん。
そりゃあしんどいよね。

今まで、家事も育児も夫と分担してやってたのが、
自分ひとりで全部背負わなきゃいけなくなって、
弱音も吐くに吐けなくて、
平気なふりしてなんとかやり過ごしてたもんね。

いや、
まだこれを書いているのはワンオペの渦中。(2023年2月)
まだまだこの日々が続くので、
ここで弱さを認めたくない気持ちもあります。

ワンオペが終わって、
私もタイに帯同して、少し生活に慣れたら、
やっとワンオペ中の自分を振り返って労うことができるのかな。


人に頼ることに対する抵抗感

そして、この時期に自分について気づいたことがありました。

それは、私は「人に頼ることが苦手」だということ。

それを友人に伝えると「今更!?」と言われたので、
気づいていなかったのは自分だけなのかもしれません。

さて、
ではなぜ自分が人に頼ることが苦手なのか、
たまには心理士らしく考察してみたいと思います。

そもそも、
人に頼る〟というのはどういうことなんだろう。

人をアテにすること?
人の力に頼ること?
人に弱みを見せること?
人に甘えること?

そしてそれは、その人の迷惑になること

どうやら、〝人に頼る=相手の迷惑になる〟という図式、
考え方のクセが私にはあるらしいことに気づきました。

でも、それは本当に相手の迷惑になるのかどうかはわかりません。

きっとここには
「人に迷惑をかけてはならない」
という思い込みがあって。
「私が頼ると、表には出さなくても迷惑だと思われるに違いない」
という考え方のクセもあるんだと思います。

私が主催している
育児にも仕事にも夫婦関係にも効く!アサーショントレーニング
という講座では、
まさに「『人に迷惑をかけてもいい』んだよ〜。」と伝えているのにね。

今まで、対面とオンラインで計4回開催しています。


人には偉そうに話をしながら、
自分にはなかなか活かせていないことに改めて気付かされました。

ただ、
本当に頼られた相手が迷惑に思っているかどうかなんて、
わからないんですよね。

もしかしたら「頼ってくれて嬉しい」と
思ってくれている可能性もある。
自分だって、本当に忙しいときに頼られるのは困ることもあるけれど、
別になんの気にもならないこともある。
それならば、
「迷惑になるから頼らないでおこう」じゃなくて、
「もしかしたら迷惑になるかもしれないけれど、頼ってみよう」と思える方が、
自分自身の負担は減るんじゃないでしょうか。

〝自立〟とは〝依存先が多い〟ということ

最近読んだ本に、こんな一文が書かれていました。

障害者が「依存」的であるのは依存先が限られているからであり、健常者が「自立」しているように見えるのは、依存先が大量にあるからだ。したがって、「自立とは依存先を増やすこと」なのだ。

東畑開人 2022    『なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない』

この一文は私にとって衝撃的でした。

「依存」というのは、
言い換えると「頼る」ということであり「甘える」ことでもあると思います。
その、依存先を増やすことが「自立」に繋がるというのは、まさに目から鱗。

あぁ、それなら人に頼ってもいいのかな。
甘えても良いのかな。

そう思えるきっかけになりました。
この本を読んだのはワンオペになって1ヶ月ちょいの頃。
出会うべくして出会った一文なのかなと思います。

そうして、この一文が頭のなかにあったおかげで、
上記の長女の胃腸炎が私にうつり、上や下やの大騒ぎになったときに、
初めてお姑さんに頼ることができました。
これがなかったら、トイレとお友だちでほとんど動けない状況でも
「娘たちのご飯さえ準備できればなんとかなる」
と考えて頼れなかったかもしれません。

結果的に、お姑さんは孫娘である娘たちとたっくさん関わり、
触れ合うことで「幸せでした」と後で連絡をくれました。
こうやって連絡をいただけたことで
「頼ってよかったんだな」と思えたのも本当にありがたいです。

ただ、これでこれからは気軽に人に頼ることができるようになるかというと、
それはまた別のお話。
100だったハードルが80に下がったぐらいなので、
まだまだ改良と挑戦の余地はたくさんあります。

まだしばらく続く、ワンオペ生活

本当はワンオペが終わってから、
懐かしく振り返ることができる頃に投稿しようかなーと思っていたこの記事。

思い立った時に書き始めたら、
色々と書きたいことが溢れてきて長くなってしまいました。
長くなったついでに、ワンオペ育児中に公開することにします。

数年後、この記事を読んで懐かしく思えるのかしら。

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