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第38回 全日本DM大賞 フュージョンの受賞作品紹介と贈賞式の感想

こんにちは、クリエイティブチーム とみたです。
「全日本DM大賞」が今年も開催されました!

1987年から始まり今年で38回目となる、日本郵便株式会社様が主催する全国のダイレクトメール(DM)を表彰するアワードです。

全日本DM大賞公式サイト「第38回受賞作品」はこちら

フュージョンでは、今回金賞1点、銅賞3点、入選2点に入賞し、17年連続で受賞を達成!

2024年3月には、4年ぶりにリアルイベントで開催されたという、贈賞式にも参加してきました!

今回は、贈賞式の参加メンバーと、贈賞式での様子や自分が手掛けたDMについての紹介、そして今後のマーケティング支援について語る座談会をお送りします。

座談会参加メンバーはこちら

1.受賞の感想

―まずはDM大賞受賞の感想をお願いします。

中嶋 自分自身がというより、クライアントが喜んでくれたのがよかったなと思っています!
ポーラ様とは2年連続受賞でき、スプリックス様との継続的な取り組みについても対外的に評価されたことを非常に嬉しく思っています。

富田 クライアントが喜んでくれるのはうれしいことですよね。
私が今回関わったのが、アシックスジャパン様/ブランド40周年DM、ポーラ様F3転換DM、スプリックス様タブレット型DMの3作品でしたが、個人的には「うれしい」というより「ホッとした」というのが最初の感想でした。
というのも、昨年、アシックス様(銀賞)とポーラ様(銅賞)と入賞しており、フュージョンとしても16年連続受賞中、昨年はグランプリ作品輩出の実績もあり、今年もしっかり結果が出せるか自分自身、プレッシャーがあったからです。
この賞だけが絶対的な価値観ではないですが、今年も受賞できたことには安心しました。
また、これを機会にそれぞれの制作を振り返って、妥協せずに制作ができたことを評価されたことはよかったなと思いました。

小木 やはりクライアントが喜んでくれたのは大きいです。前のお二人と重複してしまいますが、受賞できたことは個人的にホッとしました。
三井住友カード様は今回の実績が過去最高とのことで喜んでくださり、「来年はさらに上の賞を獲りたいね」という話もできたことがよかったです。
また、昨年も受賞し、大変喜ばしかったのですが、今回はリアルイベントでの開催だったので、これまでとは違った感覚を覚えました。現地で表彰され、様々な方のお話を聞いたことも大きい要因だったと思います。
贈賞式後の懇親パーティーでは、「フュージョンさん、今年も受賞したんですね」、「なぜそんなに常連で受賞できるんですか?」というお声がけもいただき、フュージョンの強みを感じることもできました。

2.贈賞式の様子

―贈賞式はオンライン開催が続いたなか、今年は4年ぶりにリアルイベントとして開催されました。
お三方は初めての参加でしたがどうでしたか?

富田 なぜか結婚式の円卓のようなものを想像していましたが、もっと緊張感のある式でした…!
 
中嶋 リアルイベントなので、私達のクライアントだけではなく、他の受賞者の皆さんがやりきった顔をされていて。そういう様子が刺激になりました。
 
富田 登壇者のコメントを直接聞けたのはよかったですね。

小木 金賞、銀賞、銅賞で、式の演出に違いもあり、次へのモチベーションを高めるきっかけになったと思います。

富田 次への刺激といった意味では、昨年とは全然違いましたね。
私が印象に残ったスピーチは、「私達のDMは紙としてはペラペラの薄いDMだが、ターゲットをしっかり分析し精査されたピカピカのリストを使っている。それで効果が出るということを証明した」というもの。
昨年のBtoB向けDMで設計に仕掛けのあるDMが評価されていたこととは違った切り口の内容で、フュージョンとしても今後力を入れたいという気持ちになりました。

小木 ダイレクトメールに割かれる広告費は減少していると思われがちですが、一方で電通「日本の広告費」のデータを見ると、ほぼ横ばい傾向で推移しています。今回の受賞作品全般を見ると、「いかにターゲットを精査し、シンプルな方法・仕様で効果を最大化するか」という点に注力している事例が多いように感じましたね。

3.受賞作品の紹介

金賞
ブランド40周年・エンゲージメントDM
ブランドへの想いと感謝を伝えるDMで顧客とのエンゲージメントを強固に
アシックスジャパン株式会社様
富士フイルムビジネスイノベーションジャパン株式会社様
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■目的:ブランド価値の向上、顧客関係性強化、離反引き戻し
■ターゲット:①優良顧客(現役および離反4年未満)
       ②新規/継続/育成顧客(現役および離反4年未満)
■オファー:割引クーポン
■実施効果:発送から4カ月程で優良顧客の約41.2%が商品を購入
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富田 「アシックスウォーキング」というブランドの40周年DMです。
こちらはターゲット分析・選定で富士フイルムビジネスイノベーションジャパン株式会社様と協業するなど、関係者も非常に多く、多くの知見を集めて作ったという印象です。
私はクリエイティブ制作進行の役割でしたが、関係者が多いなかでのスケジュール調整や、22ページにも渡るブランドの歴史ブックを作ったことは大変な作業でした。

頑張った甲斐あって、実施効果も高く、今回金賞受賞もでき、クライアント担当者様が目の前で登壇されてコメントされていたときはとても嬉しかったです。

パーティーでアシックス担当者様ともお話しし、「顧客がDMを大事にしてくださり、同梱のクーポンを大事に持って来店する方が多かった。中には、ファスナー付プラスチックバッグにクーポンを入れて持ってきた方もいた」というエピソードを聞きました。制作したDMに愛着を持ってくださっている、それがブランドのロイヤルティ形成に繋がっていると実感でき、嬉しい出来事でした。

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銅賞
CPA3.3倍!本物風のタブレットDMが話題に!
本物のタブレットを模した箱型DMでの開封体験と、回覧を促すノベルティにより高レスポンスを記録
株式会社スプリックス様
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■目的:自治体からの認知率向上、リード獲得
■ターゲット:全国の自治体の、ICT教育関連部署
■オファー:割引キャンペーン
■実施効果:CPAは前回DM施策比で3.3倍
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中嶋 スプリックス様は元々学習塾事業を展開していて、新しく公教育向けサービスに取り組んでいくというフェーズでお手伝いをしたというのが、今回のDMです。新規開拓のツールとして、DMをご提案させていただきました。

先方とのディスカッションにより、開封を促進する仕掛けのあるDMを制作し、成果に結びつきました。
DM到着後、見た目のインパクトからか、届いた自治体内でも話題になり、決裁権のある方までDMが届くなど、想像以上に回覧に繋がったエピソードもありました。

この成功をきっかけに、現在も継続的にDM制作などでご支援させていただいており、信頼関係を強固にした施策だったと思っています。

今回、他の受賞作品と比べると「BtoG施策」であることや、「箱型でギミックが盛りだくさんな施策」であるところは、他とは違う特徴のある作品だったと思います。

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銅賞
前年比187%! 開封体験でF3転換クロスセル成功!
成功施策のノウハウを生かしブランド横断のクロスセルを実現
株式会社ポーラ様
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■目的:F3転換率の向上
■ターゲット:リンクルショット2回購入者
■オファー:限定キットの案内
■実施効果:F3転換率は、施策を行っていなかった前年同月と比較して187%
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富田 ポーラ様とは、昨年「F2転換DM」で銅賞を受賞しているのですが、その施策の成功からF2層顧客が増え、さらにその顧客に向けた次のアプローチのために「F3転換」の施策が生まれました。今回は、そのDMで今年も同じく銅賞を受賞できました。
 
CRM視点で適切なコミュニケーション接点を増やし、クライアントと顧客の関係をさらに深める支援をできてよかったと感じています。
 
私はこのDMの企画・制作を担当したのですが、新たに訴求する「B.A」というブランドについて知るために、実際にポーラのカウンターに行って、商品を試しつつ、美容部員さんにも説明を受けました。
その時お話しした方の「B.Aのアイテムはひとつひとつ異なる香りで、複数アイテムを顔のケアに使うとまるでブーケのように華やかな気持ちになるんです」という話をもとに今回の「長いミシン目の封筒の開封体験でブランド感をあらわす」というDMのアイデアが生まれました。
 
CRM支援を行うマーケティング会社として、クライアント企業のブランドや商品・サービスを理解するために、実際に店舗に足を運んだり、商品を手に取ってみることは大切だと改めて感じました。
パーティーにはポーラ担当者様にも来ていただき、今後のCRM施策についてどんなことができそうかというお話もでき、今後また次の施策に繋げたいと動いています。

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銅賞
変革の一手は"見えるカード"と"見えないカード"
AIの活用で成約確率の高い顧客の特徴を発見
三井住友カード株式会社様

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■目的:「三井住友コーポレートカード」、「三井住友パーチェシングカード」の営業において新規顧客の成約・リード獲得​
■ターゲット:発送前時点で取引および接点がない企業の​経理責任者
■オファー:ホワイトペーパー・価格オファー
■実施効果:リード獲得率は、前回対比240%
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小木 
三井住友カード様が大企業向けに発行している法人カード(三井住友コーポレートカード)と、同じく大企業向けの「カードレス」の法人カード(三井住友パーチェシングカード)を案内して成約およびリードを獲得する、という目的のDMです。
カードレスのカードを表現するために、透明な素材をカード型に切り取って封入し、「見えるカード」「見えないカード」の対比で、それぞれのカードを表現しました。
 
見えないカードである「三井住友パーチェシングカード」は、需要がこれから伸びていく見込みがあるものの、認知度が低いのが課題でした。
馴染みのない商材を直感的に理解してもらう、かつDMの開封のフックとしても機能させるという点でも、「見えないカード」という表現・提案が課題解決に一役買うことができたと認識しています。
一方で、「見えないカード」という入口の部分は良かったものの、直接アクションに繋げる動線が弱かったのではという反省もあり、「出口の設計を今後改良したい」という話も挙がりました。

今回のDM大賞の受賞例も踏まえて改めて感じたことですが、DMはあくまで一連のマーケティング戦略実行のイチ手段であり、全体の目的と照らした合わせた際に、「DMではどのような役割を期待するのか」という施策のゴール設計が重要だと再認識しました。

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4.今後の施策への抱負

―最後に、今回の経験を踏まえての今後の抱負をお願いします。

富田 改めていろいろなDM施策を見て、戦略性の重要さを再認識できました。
クリエイティブの自由度は維持しつつ、戦略性もさらに高めていきたいと感じました。

中嶋 CRMの一部としてのDM制作だということを、クライアントと共通認識を持って制作する必要があると思っています。
私が担当するものは「必殺技」的なポジションを求められる施策も多いのですが、1本釣りするだけではなく、顧客を獲得して、その後育成して、という流れのどこでDM施策を行うのか、そして行った後はどういう施策にバトンタッチするのか。
それをやると、自然とデータドリブンな視点にも立つ必要性が出てくると思っています。

富田 「必殺技的なDMを作りたい」というご依頼もよくお受けしますが、それきっかけで長く広くCRM支援に繋がっていけたらいいですよね。

小木 「私の提案が、お客様の課題を解決できるのか」、その一方で「お客様の考えが果たして本当に正しいのか」という点から逃げずに向き合いたいと感じています。

今回の贈賞式で、佐々木さん(フュージョン代表)がよくする「机の向こう側の精神で、クライアントと同じ視点で考える」の話をとても実感しました。

お客様の近くで一緒に目線を合わせて物事を考えるという経験。
自分は入社したときからオンラインでのやりとりがメインでしたが、定期的に会ったり、案件以外の話をしたり、くだらないことでもコミュニケーションを取ることで、お互いが遠慮なく話し合え、考え合える。そういう関係性作りが結局、良い成果を生むと感じました。
 
お客様からも「もっと小木さんと仕事がしたいです」「また東京来てください」と言われるとやる気も出てきますし、そこを踏まえて、施策の結果というかたちでお客様にも恩返ししたい。
今回のDM大賞ではとてもハードルが上がったものの、「次に向けて頑張るぞ」と気合いの入ったイベントにもなりました!

5.まとめ

第38回(2024年)DM大賞、フュージョンの銅賞以上の受賞作品の紹介と、贈賞式を経て感じたことなど座談会、いかがでしたでしょうか。

施策を評価されて自信に繋がっただけではなく、他社さんの作品を見ることで刺激になり、良いところを取り入れて改善しようという意識が生まれました。
また、クライアント企業の方々とも直接コミュニケーションを取ることで来年以降に向けてさらに頑張るぞ!と思えた、素晴らしい機会だったと思います。

フュージョンはCRM領域のマーケティング支援会社として、今後もさまざまな知見を活かしつつ、CRM全体の戦略設計や施策の立案、施策ひとつひとつの実行までを伴走型でご支援していきます。フュージョンにご興味のある方は、ウェブサイトをご覧ください。

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