好きなアーティストと曲の感想

今回は好きな音楽やアーティストについて感想をだらだらと述べようと思います。誰かに対して書いているというよりも、「言語化が気持ちいので書いた」くらいの軽い動機です。


kiwano 「アメリカンチェリー」

恋の歌詞は中身がスカスカになりがちで、そうでなければリアルすぎて受け付けないことが多い。リアルなことが必ずしも悪とは言えないが、恋を歌うのに夢を歌えなければそれまでで、女の子らしい恋の幸福感を表現することは難しいだろう。反対に複雑で歌いにくい歌詞はメロディーを殺す。しかしこの曲は柔らかく甘酸っぱい声色と曲調、歌詞、すべてに統一感がある。飽きずに聞けるこの曲はまさに題名の通りで、人工的で甘ったるい感じが全くしない。爽やかな甘さが心地良い。

同じ飴が好きなの偶然だねと
私らしく話しかけられたら
他の誰とも比べずに想える

kiwano 「アメリカンチェリー」

わがつま 「答え合わせ」

少し長めの前奏は、何故か小さいころに叩いた鉄筋やトイピアノの鍵盤を彷彿とさせる。すごく遠くから流れてくる少し不安な音階は、過去に優しく寄り添ってくれる。嫌だったことも嬉しかったこともすべて、ノスタルジーが吸い込む魔法のメロディー。前奏を抜けるとぐんぐんと展開する音楽に引っ張られて、気づけば明るい気持ちになれるだろう。夢は現実から見上げるものではなくて、実は海のように現実を満たすものなのかもしれないとさえ思えた。

ひとつだけの嘘をついたらみんなが何かを探してる
本当は何もないのにね

わがつま 「答え合わせ」

ポップしなないで 「救われ升」

爽快なスピード感に絡まった歌詞が光る、ユニークな曲。この曲を見事に歌い上げるボーカルに、聞くたびに心を捕まれる。大量の曲が生み出され消費される世の中では、曲はどれも複雑になりつつある。それでも複雑であることを微塵も気にしないまっすぐな表現の姿勢は、聞いていて気持ちがいい。ボーカルを生かすために、背景の音はすっきり整っている。その中で、ボーカルが消えたタイミングめがけてポップな効果音が飛び込んでくる所が戦略的で好きだ。

ますますこんがらがったあれこれにさよならまたいつか

ポップしなないで 「救われ升」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?