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栗子山は、ハリーポッターの魔女の帽子の形に少し似てませんか?

 魔女の帽子のような形をした栗子山は、ツバの部分に道路が切られ、ちょうどツバの部分との境目のあたりにトンネルが掘られています。図の左側が日本海に面した山形県側、図の右側が太平洋に面した福島県側となり、頂上の部分は山形県に位置しているため、今回の事業計画は山形県の問題となります。しかし、ちょうど県境であるため、分水嶺であることから水は、左側は刈安川に流れ水窪ダムに流入する。水窪ダムは、水道水、農業用水、工業用水として利用されている。右側は烏川と摺上川に流れ、摺上川ダムに流入する。摺上川ダムの水は、2市3町40万人の水を担っている。これまで井戸を水源とする簡易水道など多数にわたっていた水源を廃止し、摺上川ダム一本に集約した。そんな貴重な水源の大元に巨大な風車を建てようとしている。

 風車を尾根のてっぺんに運ぶための取り付け道路は、西栗子トンネルの入り口の左右両側に頂上に向けて作られる。図のちょうど左側のツバの部分から頂上までの位置になる。この斜面はかなり急であることがわかる。福島の小名浜で水揚げされ、大峠トンネルを通り、米沢市役所前を通り、国道13号線から西栗子トンネル入り口まで運ぶ。福島市側からの方が近いのに、わざわざ会津若松を通って運ぶ。巨大すぎて栗子トンネルを通って運べない。そんなサイズのものを頂上まで上げる取り付け道路が作られる。どれだけの樹木が伐採され、どれだけ山が削られるのか。

『栗子トンネル工事誌』1968年発行 栗子トンネル工事誌編纂委員会編集

 そもそも、栗子周辺は地質的に崩れやすい。崩れやすいから、降雨量が増えると通行止めになる。それが頻回であるから、気象の影響を受けないように、標高の低いところに新しくトンネルを掘ることが懇願され、無料の日本最長のトンネルがある高速道路が開通した。山形新幹線も同様に、ミニ新幹線は在来線の線路を利用しているために気象の影響を受ける。そのために運休も多くあるのでフル規格のトンネルを標高の低いところにと望まれている。

 栗子周辺は既に崩れやすい。崩れやすい山の森のダムと言われるブナの木を広域に伐採し、山を削り道を幅広く切り開く。そして、風車を持ち上げるための巨大なクレーンと共に頂上まで運ぶ。これまで以上に崩れやすくなる事は想像に難くない。
海外のサイトで、運搬している動画がある。この動画の道路は立派な舗装された道路である。この動画のように標高1000mのしかも急峻な山の頂上まで運搬するためには、どれだけの木を伐り、山を削るのか。

 災害のたびにボランティアに参加されている方で、この度の能登の地震でも活動された方からの情報で、土砂災害が何に起因しているのか、肌で感じた情報が寄せられた。確実に樹木が伐採されたところ、人間の手が入った場所に災害か起っている、という事である。その因果関係が調査されている。そのサイトを下部に示す。

森林伐採と土砂災害の関係は、調べればいくらでも出てくる。栗子山風力発電事業の取り付け道路は、西栗子トンネルの入り口であることから、西栗子トンネルへの影響は左右両側から脅かされることになる。土石流となって流れれば、その下に位置する高速道路の入り口への影響も無視できない。そしてその先には、50歳を迎えた水窪ダムがある。土砂とともに大量の倒木が流入した場合、越水の心配は無いのか。50年以上前の水窪ダムの上流域の大規模開発は設計には無い。
 
 栗子周辺の地質は、上質なゼオライトがある。良質なゼオライトで加工しやすい=加工しやすいとは崩れやすい。他の山には無い地質であるが、JR東日本エネルギー開発の住民説明会で配布された資料は空白であった。工事に関する粉塵や、水質汚濁などの記述がわずかにあった程度で、軟弱な地質についてはまったく言及されず。もし、災害が起こった場合は、どこに責任が発生するのだろうか。事業者か?地権者か?

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