見出し画像

書肆侃侃房の『現代短歌クラシックス』が楽しみ

こんにちは、匤成です。先日の「平和園に帰ろうよ」や「煮汁」の出版社である書肆侃侃房( しょしかんかんぼう )は、故人である笹井宏之さんの「ひとさらい」「てんとろり」という歌集を出して以来、短歌に力を入れている出版社さんで先に挙げた2冊も「新鋭短歌シリーズ」というシリーズで実力派の若手歌人に歌集の発表を後押ししています。

今回は、タイトルにもしたように「クラシックス」、つまり月日が経っている歌集を復刊しようということです。ウェブサイトには、

現代短歌の重要な歌集を復刊、新装版として刊行していきます。

とあります。第一弾となるのは1968年生まれの飯田有子さんという方の「林檎貫通式」という歌集です。現在も歌人集団「かばん」に所属しておられて、歌集自体も”2001年”と思うほど古くはないけれど発表された会社がなくなったために、このたびの新シリーズに合わせて復刊されることになったようです。

和歌のように、背景を知っていないと理解できないような歌ではなく、現在でも十分に分かる口語です。続刊も次つぎと決まっています。

第二弾,石川美南さん。第三弾は正岡豊さん

石川美南 「砂の降る教室」より
カーテンのレースは冷えて弟がはぷすぶるぐ、とくしやみする秋
とてつもなく寂しき夜は聞こえくる もぐらたたきのもぐらのいびき
みるくみるくはやく大きくなりたくて銀河の隅で口を開けをり
正岡豊 「四月の魚」より
夢のすべてが南へかえりおえたころまばたきをする冬の翼よ
きみがこの世でなしとげられぬことのためやさしくもえさかる舟がある
無限遠点交わる線と線そこにひっそりときみのまばたきがある

どちらも捨てがたいなぁと感じています。最初は四月の魚の方に魅力を感じていたのが、石川美南さんも良い!悩みます。

これからどんな歌集がピックアップされるのでしょうか。楽しみです。匤成でした。



#短歌 #現代短歌  


良ければサポートをお願いします。次回の紹介作品の購入や、今後の創作活動に活用させて頂きます。