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メロディ その5

できるだけ、メロディを苦しまないようにしてあげたいです。と先生に話して、ステロイド治療をすることになりました。

がん化した白血球が自分の細胞を攻撃して炎症が起こるのですが、それをステロイドが抑えてくれるとのことでした。

3日に一回、皮下捕液に通って、更に毎日朝晩ステロイドをひとかけ飲ませました。最初は下痢止めと整腸剤もあげたのですが、大腸に恐らく腫瘍ができていたため、便が固くなったら通過障害が起こってしまいました。先生が便をマッサージでほぐした時はメロディが舌を出してよだれを出して苦しんでしまい、こんな事なら何も治療しないほうが良かったのではないかと強く感じました。

メロディは皮下捕液をした日は帰ってきてから、調子が良さそうで、えさ場に来ましたが、実際は殆ど食べられませんでした。

他県で一人暮らしをしている息子と娘がメロディに会いに帰ってきました。

子どもたちが帰った翌々朝、嫌がるメロディに無理にステロイドを飲ませると、急に息が荒くなって、その後メロディが私の布団の上で2回ちょっぴりのウンチをしました。もうやめて欲しいという抗議の意思表示に思いました。

もう、安楽死するしかないかな?って思いました。楽にするはずの治療で、かえってメロディを苦しませてしまったような気がしていました。

でも、殺すために病院に連れて行くのは、ものすごい勇気のいることです。決心できず午前中は仕事に行き、頭を整理しようと思いました。

午後、早めに帰ってくると、メロディはこたつの中でおしっこをしてしまっていました。初めてのことでした。相当つらいんだなって思いました。

私が帰宅してすぐに、トイレにいってふんばったあと、10回くらい吐けないのですが、「うえっうえっ」とした後、また息が荒くなりました。その後、窓辺に行って風にあたった後、また息が普通に戻り、おじいちゃんのベッドの上に上って大きな目を見開いて私を睨んでいるように感じました。

まだ、病院の受付時間ではなかったので、どうしたら良いのか、神様にお祈りしました。

「言葉であれ行いであれ、何かをするときには、主イエスによって父なる神に感謝し、全てを主イエスの名において行いなさい。 コロサイ人への手紙3章17節」という御言葉が頭の中にひらめきました。

メロディはおじいちゃんの布団の上でもウンチをしました。これで、決心がつきました。メロディをキャリーに入れて病院へ向かいました。

病院で順番を待っている時、車の中でキャリーの扉を開けてメロディと過ごしましたが、メロディはとても穏やかでした。病院に行けば楽にしてもらえるってわかっていたのだと思います。神様、メロディをお守りください、天の御国でメロディと再開できますようにとお祈りしました。

安楽死の為に、カラーを首につけて、注射針を腕にさす時もメロディはとても穏やかでした。

そして、私の腕の中で安らかに眠りにつきました。本当に穏やかなかわいい死に顔でした。全く、苦しくなかったんだと思いました。



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