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同じ空のはずなのに

この空は好きな人と繋がっている
そんな言葉をよく耳にする

実際はそうだけど

昔は私もそう思ってたけど

今はなんとなく違和感を感じる

好きな人の頭上の空と
自分の頭上にある空
本当は別の空間にあるんじゃないかと

元々は同じ空だったのに
いつのまにか違う世界の空を見ている
そんな気がする
 
「思考は現実化する」
そんな言葉があるけれど

好きな人と一緒に過ごすイメージが
時々、絵葉書のように送られてくる

夢で会えても好きな人は
あの頃のように笑っている

同じ市内にいる二人
でも会えないふたり

スマホのボタンを押せば
簡単に繋がることができるのに

自分の自信のなさに腹がたつ

もっと可愛かったら
もっと痩せてたら
もっと高い声だったら

そんなふうにダメな理由の付箋を
体中にたくさん貼り付けて

諦めの方向に進もうとしてしまう

そのくせ
「じゃあ、ここで終了ね」と
もう一人の意地悪な自分に言われると
涙が溢れてしまう

もう一度あの頃みたいに
二人の空が同じ空になれたら
一緒に笑うことができたら

そんなことを思いながら
今日もあなたの住む隣の駅まで
自転車を漕いで会社に向かう

同じ空の下で


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