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人生と海の世界の不公平

「夜明け前が一番暗い」

「止まない雨はない」

それを人生に例えて人は言う

でも本当に人生に
当てはまるのだろうか

何をやっても
どう頑張っても
暗くて冷たい雨の中から
抜け出せない私
いったい、どういうことなんだろう

朝の海岸を散歩しながら
そんなことを考えていた

潮溜まりにいる
小さなカニをつかまえてみる
体は小さいのに
ハサミに挟まれた時の痛みは
思った以上に強くて
「痛っ!!」と
思わず叫んでしまった

私の心の中に積もった
たくさんの小さな傷たちも
痛くて痛くてたまらなかった
でも、それを認めないように
頑張って笑顔でいた

「本当は痛いんだ」って
誰かに素直に言えばよかった

寄せては返す波は
同じ繰り返しのように見えて
急に足元に来て
靴を濡らす
そして何事もなかったように
去って行く

私は慌てて
波が来ない大きな岩に
移動する

私の人生の不幸という波も
足元に来ない距離にあったはずなのに
突然目の前に現れて
頭も服もびしょ濡れになるくらいの
勢いでやって来た

もっと穏やかな波ならいいのに

周りの人の中には
穏やかな波ばかりの人生だったり
波がかかりそうな時
いつも誰かに助けてもらえる
そんな人も時々いる

人生は不公正だ

不公平といえば
海の世界にもある

リュウグウノツカイみたいな
名前も姿も美しい魚もいれば

姿も地味で
名前が〇〇モドキとか
ニセ〇〇ウオとか
〇〇ダマシとか
雑な名前を付けられてる魚介類もいる

たぶん私も魚だったら
〇〇モドキの種類なんだろうと
しみじみ思う

私は立ち上がり
深いため息をつく

まぁ、〇〇モドキで
周りから可哀想って言われても
本人が幸せなら
それでいいのかな

目の前に広がる青い海は
太陽に照らされて
キラキラと笑っている

久しぶりに来た海なのに
ネガティブな考えで
キレイな景色を灰色にして
しまうところだった

思いっきり潮の香りを
肺いっぱいに吸い込んで
頭の中のモヤモヤを
力いっぱい吐き出した

本当は前に進みたい
今を変えて
未来の明るい方の道に進みたい
ただそれだけなのに

砂浜を歩きながら考える
帰りに美味しいパンを買って
いつもより豪華な朝ごはんにしよう

まずは枯れ切った心を満たすために
少しずつでいいから
小さなことでもいいから
自分に優しくしようと心に決めた

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