好きな理由なんて
若草色が好き
森の小鳥たちのさえずりが好き
優しい沈丁花の香りが好き
柔らかい日差しの中で
好きな曲を聴きながら
ゆっくりコーヒーを飲む時間が好き
好きな色
好きな音
好きな香り
好きな時間
好きな理由なんか特になくて
ただ何となく好きなもの
みんな好みが違って当たり前で
どれを好きになっても自由で
時々、好きなものを
バカにする人もいて
そんな時は一瞬頭にくるけど
でも何とも思わない
どれが一番とかじゃなくて
どれも正解だから
でも、どうして人を好きになる時は
周りの人の言葉に
揺れてしまうのだろう
いつの間にか
その人を好きになってて
好きな理由も言えるけど
理由なんて後から探し出しただけで
本当の理由なんて分からない
ただ好きな人の側にいるだけで
嬉しくて
声を聞いてるだけで安心して
思い出すだけで自然と笑顔が溢れる
自分の気持ちに正直になって
好きな人を想っている時と
周りの言葉に傷ついて
好きな人の悪いところを集めて
無理に諦めようとしている時
二つの気持ちを行ったり来たり
彷徨ってばかりの私
今まで一緒にいた人たちとは
無理して相手に合わせることで
傷ついて自分を失くして
それでも笑顔で過ごしていた
今好きな人と出会ってからは
素直な自分をさらけ出しても
それを受け入れてくれた
嬉しかった
こんな幸せもあるんだと
初めて知った
会うたびに
ずっと一緒にいれたらと
何度も心から思った
ベランダの沈丁花の蕾が
先週よりふっくらとしてしている
どうか私たちの出会いが
偶然じゃなくて
必然でありますように
春を告げる二月の温かい風に
願いを乗せてそっと飛ばした