経験は時間じゃない
農業は経験と勘が大切だとよく言われるけど、それ自体は嘘じゃないとしても、単純に経験=それに携わっていた時間、というわけでは決してない。短期間に効率よく経験を積んだ人の経験値は、経験の積み方に無頓着に長年を過ごした人のそれを上回る。
それがいま取り組んでいることの中で証明したい仮説のうちの、大きなものの一つだ。
別の分野だとわかりやすいと思う。
・プログラミングができない人が多くのソースコードに接しても、経験はたまらない。基本ができている人なら普段から「これどうなっているのかな?」と疑問をもって調べることで経験がたまる。
・どんな人でもポスターやチラシを目にしている量は少なくないはずなのに、デザインの知識のない人はそれらから何の経験も得られていない(真似してデザインしたりできない)。基礎ができている人なら、色々なデザインを見ることで引き出しが増える。
・着た服の数だけならどんな人でもプロとそう変わらないかもしれない。でも、パターンの知識のない人が服がどう縫い合わされているのか考えることはない。基礎知識のある人は見るだけでも「あんな作り方があるのか」と経験が増える。
またスポーツを本格的にやったことがある人なら、学校の体育の授業は何をやっていたんだろう?って疑問に感じたことがあると思う。走るといえば走るだけで、フォームの改善とか「どうやったらうまく走れるか」学校でちゃんと指導してもらった記憶がない(最近は違うのかもしれないけど)。走っているところをビデオに撮って見直すだけでも全然違うのに。そういう試行錯誤のやり方自体も基礎になる。
だからまずは経験を効率良く蓄積する方法を覚えてシステム化するのが重要だと感じている。
どんな分野でもそういうこと抜きに「なぜかできてしまう人」というのはいるものだけど、そういった才能にばかり頼っていたのでは発展しないと思う。
トップの写真は今回の台風で倒れたナスの柵です。幸い大きな被害はなかったのですが、やっぱり自然相手のむずかしさがあります。もし興味持っていただけたら野菜の注文という形で応援してください。。。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?