“The Book of the Day!”記録(3/1~5)

3/1 藤沢和希『ぼくは愛を証明しようと思う』

別の読書会で課題本になっているため読んだ本。私自身「非モテ」に属する人間であるからということもあるが、一言で言ってしまうと非常に不愉快な読後感を抱いた1冊である。特に女性の読者がこの本を読んだ時どのような感想を抱くのだろうかが気になる。

「非モテ」の主人公が「恋愛工学」の様々なテクニックを駆使することで次々と女性を口説いてゆくことになるのだが、それとともにタイトルとは裏腹に「愛」を失ってゆく様が描かれている。

この作品の中で展開される「恋愛工学」の様々なテクニックはおそらくかなりの部分有効なものだとは思う。ただ、その中には人間の「感情」の部分が全く考慮されておらず、その辺が自分の「良心」に照らし合わせた時に言いようのない違和感を覚えてしまうのである。

3/2 山口真一『正義を振りかざす「極端な人」の正体』

インターネット上での「炎上」を引き起こす「極端な人」について十分なエビデンスに基づいて実証的に分析された良書。

インターネット上で「炎上」が起きることは日常茶飯事的になってしまっている感があるが、最近は「極端な人」と「極端な人」の泥仕合となっているような事例も数多く見られることから、自分がその「極端な人」のターゲットにならないことや、自分自身が「極端な人」にならないようにする防衛策が重要であるということを痛感させられる。

「極端な人」のターゲットにならないためには、自らの発信をきわめて抑制的なものにとどめることや、「極端な人」の言動を意図的に見ない、あるいは見たとしてもそれにあえて言及をしないということが最大の防衛になると思う。

一方で、本書の第5章では「「極端な人」にならないための5箇条」という章が設けられており、自分自身が「極端な人」にならないためにはどうすれば良いかが紹介されている。自戒も込めてこの5箇条について以下に引用しておきたい。

①情報の偏りを知る
②自分の「正義感」に敏感になる
③自分を客観的に見る
④情報から一度距離をとってみる
⑤他者を尊重する

②、③、⑤とも関係することではあるが、「他者からの耳の痛い意見に耳を傾ける」ことも重要であると思う。私自身もウェブやSNSを通じて言い過ぎてしまうことが多々あることを考えると、今後自分の意見を発信する際にはこの5箇条をしっかりと意識しておきたいと思った。

3/3 お休み

この日は参加したものの、時間の都合で手持ちの一冊を発表できず。

3/4 架神恭介『仁義なきキリスト教史』

キリスト教史を広島ヤクザに喩えたパロディ作品。"Eli, Eli, Lema Sabachthani ?"(神よ、何ゆえに我を見捨てたもうや)を「おやっさん、おやっさん、なんでワシを見捨てたんじゃ~!」と訳すなど、キリスト教諸派の関係者が読んだら憤慨してしまうのではないかと思う問題作であるが、私はこういうパロディが嫌いではない。パウロの口八丁の伝道などはむしろ「実はこうだったんだろうなぁ」と思ってしまうほど見事に描かれている。

「難しいものをわかりやすく書く」ことには賛否両論があるだろうけれども、少なくとも「わかりやすく書こうとする側」は「難しいこと」について十分に理解をしていることが必要となる。「難しいこと」を理解したいとおもう人にとっては「わかりやすく書かれているもの」から学ぶことは決して間違いではない。ただし、「わかりやすく書かれているもの」だけを読んで、それで満足してしまうと「知」の広がりというものを欠くことになってしまう。

3/6 『新装版 誕生花と幸せの花言葉366日』

最近毎日ウォーキングをしているのだが、住宅街の軒先や遊歩道などで花を見る機会が多くなった。「お、きれいだな」と思うものの、花の名前を知らないということがよくある。良くも悪くも今は何でもかんでも検索ができてしまう時代である。GreenSnapというアプリを使えば、自分が撮った花の写真から花の名前を知ることができる。

花の名前も知りたいが、花言葉や誕生花も知りたいと思い手に取ったのがこちらの本である。花言葉と誕生花は諸説あるものなので、ネット検索で補完するとさらに知識が深まる。花には神話のいわれもあったりするので、そういったことも知るとさらに人生が豊かになるのかもしれない。

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