見出し画像

ノルウェー人はスローTVがお好き

こんにちは。

以前のクリスマスの記事で「豚のローストがオーブンの中で焼けていく過程と延々7時間にわたって放送するテレビ番組」をご紹介しました。

このような「過程を延々と放送するテレビ番組」をノルウェー語でSakte-TV(サクテ・テーヴェー)と言います。「スローTV」という意味です。

このコンセプト自体はノルウェーの発明という訳ではありませんが、2009年にノルウェー国営放送がノルウェー西部の都市・ベルゲンと首都オスロ間の鉄道の旅を7時間にわたって放送したことで、スローTVの人気にノルウェーで火が付き、世界的にも「ノルウェーのスローTV」が注目を浴びはじめました。今ではウィキペディアの「スローTV」の項目に「ノルウェー国営放送」が取り上げられるほど、ノルウェー発・スローTVの知名度も上がっています。

「ベルゲン鉄道・分刻み」の一場面。

画像4

「ベルゲン鉄道・分刻み」の好評に気をよくしたノルウェー国営放送は、それ以降、様々なスローTV を発表していきます。

その中でも白眉はやはり、2011年の「沿岸急行船・分刻み」(Hurtigruten minutt for minutt、日本語のウィキでは「一分一秒」と訳されてます。上手な翻訳だな~と感心しました)という番組でしょう。

沿岸急行船というのは、ノルウェーの西海岸を南から北まで繋いでいる定期運航船/クルーズ船です。この番組は沿岸急行船の航海を出発から到着までぶっ続けで134時間(!)生放送するという野心的(???)な試みでした。

私も生放送時には時々番組をのぞいていました。夏休み時期とはいえ、さすがにずっと見てるわけにも・・・。昼間は景色を移したり、岸でノルウェー国旗を振ってる人達が映ったり、漁船が船に並走したり、お祭り感があったのですが、夜中にはずーっと定点カメラで甲板が映ってるだけ、とか、ゆるーい感じが面白かったです。

寄港した港はどこもお祭りムードで大歓迎!

画像5

朝、早すぎて誰もいない図。

画像6

悪天候の中の定点カメラでの舳先の図。

画像7

ちなみにこの番組は「世界で一番長いドキュメンタリー番組」としてギネス記録に登録されたそうです。

でも、私が一番気に入っているスローTVは「沿岸急行船」ではありません!スローTV10周年記念で制作された「時計・分刻み」(Klokke minutt for minutt)という番組です。
ベルゲン駅に木材製巨大デジタル(?)時計を設置し、まさしく「分刻み」の人力時計を24時間生放送するという、これまた阿呆らしくも野心的(?????)な試みです。

文章にするとわかりにくいですね。下の写真を見ていただければわかっていただけるかな。バカバカしいことを本気でやる人たちって好き♡

3時20分

画像3

3時21分

画像2

3時22分

画像3

これを0時から、24時まで60分×24時間=1440回、一分毎に組み直すわけです。たまに間に合わなくて時間が飛んじゃったりするのも愛嬌があって楽しかったです。

YouTubeの「ノルウェー国営放送公式チャンネル」に一分半くらいの「スローTVハイライト」が公開されていたのでリンクを貼っておきますね。

https://www.youtube.com/watch?v=Bij9PxHTcCc


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?