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フログネル公園

お天気の良い日にオスロの観光名所の一つ、フログネル公園に行ってきました。

フログネル公園の「フログネル」という名は公園のあたりにあった中世以来の荘園の名前に由来します。公園の設計者の名をとってヴィーゲラン公園とも呼ばれることもあります。

立派な正門です。でも公園自体は柵も何もないのでどこからでも入れます。公園のデザインの一部としての門ですね。

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フログネル公園は、ノルウェーの彫刻家・グスタフ・ヴィーゲランが1920年代から亡くなった年の1943年まで、ライフワークとして取り組んだ施設です。公園のデザインや、公園内の彫刻すべてがこの方の作品です。一応の完成を見たのはヴィーゲラン死後の1950年頃。一人の芸術家が企画、設計、設置されている彫刻作品まですべて手掛けた彫刻公園としては世界最大の32ヘクタールの広さを誇ります。

この方がグスタフ・ヴィーゲラン↓。ムンクとほぼ同時期に活動していたノルウェーの彫刻家。生前はノルウェー国内でムンクを凌ぐ名声を誇った方です。老境に入ったムンクが「ヴィーゲランは、もてはやされているのに、私は貧しい思いをしている」とか、やたらとヴィーゲランに嫉妬するような発言を残しています(←晩年はお金にも困ってないし、ちゃんと大家として扱われていたのですが、ムンクさん、かなり難しい人だったのです)。結局、美術史に名を残したのはムンクですけどね。

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公園にはブロンズと御影石の彫刻が計214組設置されています。人間の一生、さらには個人の一生を超え、世代交代を経て脈々と続いていく人間の営みが公園全体の大きなテーマとなっています。

元気いっぱいの少年の像

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公園一番の人気者は「怒りんぼ」と呼ばれる幼児の像

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噴水。本当は水盤からこんこんと水が湧き出ているのですが、
冬場はお休み。

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奥の高台にはモノリッテンと呼ばれる高さ17mの大作が存在感を放っています。集合体恐怖症の人にはキツそうですが、121人の年齢も性別も異なる人々が上へ上へと登ろうとしている姿が柱に描写されています。「より高い次元に到達しようとする人間の姿」とか「弱肉強食を表している」とか、意味の解釈には諸説あります。ヴィーゲランは自分の作品について説明をしない人だったので、このあたりは研究者の意見になります。

モノリッテンは36の彫刻と8つの錬鉄の門扉で囲まれています。
これもヴィーゲランのデザイン

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モノリッテン。人間が重なり合っています。不気味といえば不気味・・。でもね、習作には人間の代わりにトカゲの化け物が張り付いているバージョンもあったんですよ~。それと比べれば平気~。やっぱりちょっと不気味だけれども。

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モノリッテンの高台から入り口方向の景色。

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無料で入れる公園ですので、気軽に訪問できます。天気の良い日の散歩は気持ちいいですよ。オスロ市民もよく公園を散歩しています(通勤の近道としてただただ自転車で突っ切る人も多し)。

オスロにいらっしゃった際には是非お立ち寄りください。

Frognerparken(Vigelandsparken)
Nobels gate
地下鉄Majortuen駅から徒歩10分
年中無休




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