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まちづくりの「場」について考える。

想いがあるけど話が前に進まない!

想いがあっても話が前に進まない。なぜかを考える「ゴミ箱モデル」なるけったいな名前の理論について調べてたのが前回。👇

ではその話合いが行われる「場」とはどういうものかを書いている論文を探してきました。日本福祉大学の吉村輝彦氏の「対話と交流の場づくりから始めるまちづくりのあり方に関する一考察」で、2010年の論文です。

論文の内容をざっくりと…。

従来の都市計画ではすでに行政側などに予想される完成図があって、関係者が予想に対して意見を述べて決めていく形だったが、住民の自発性や協働を目指したまちづくりが行われるようになると、ワークショップなどの場が設定されることが増えた。ただ、この「場」の目的を考えた場合、①対話・交流なのか、②意思決定なのか、を分けて考える必要がある。目的を意識して話し合わないと、意思決定するはずが参加者の交流といった自己満足で終わってしまい、なんだったけ?みたいなことになる。
まちづくりは参加者の主体性が必要なため、やらされ感ではなく対話や交流から活動が相互作用を生み、新たな活動につながるような場とすることが望ましい。そのために、結論ありき、ではなく、みんなが意見を出しやすいように、とか、場の運営方法を工夫する必要があるよ、と、いうことを述べて、名古屋市名東区の事例を紹介しています。

ゴミ箱モデルと合わせて考える

今回の論文は、主体性を持ってまちづくりして何かを生み出すため相互作用を生み出すことを述べてます。前回詳しく調べたゴミ箱モデルは、流動的な状況で物事が決まる様を説明していました。今回の論文が意思決定を行うための流れを説明しているものであり、実際にその中でどのような話合いが行われるのか、というのがゴミ箱モデルだと考えると、より、それぞれを深く考えることができるのかな?とか、思いました。
対話・交流ならば良いですが、何かを決定したいと思って場を設定するとき、「やり過ごし」や「見過ごし」を減らして、当初目的である「決定」に近づけるには、ゴミ箱モデルを意識しながら場の運営を事前に検討していくと良いのかな、と考えられます。

ワークショップに思う

人見知りで隠キャの自分にとって、ワークショップはものすごい心理的ハードルが高いのですが、仕事でやむなくやたらと参加してきました。参加するどころか主催、下手するとファシリする羽目になっていました。
場をどのように持っていきたいのか、誘導というよりは今回の話し合いでは何を生み出したのか、自由意見なのか、決定したいのか、ということを、よく運営側と事前に話し合っていたことを思い出します。思うようにいかないことの方が多かったです。笑。今回の論文では、そのやり方は正しかった、と、お墨付きをくれたと言えます。
しかし、完全に反対な意見、感情的・政治的な立場から反対するために反対する、という参加者が発生するようなテーマで、何かを決めたいと思って場を開催する場合は、運営は難しいですよね。意見が二極化して折り合いがつけることが難しい時代のワークショップ運営ってどうすべきなのか、今後の大きな課題だと思います。

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