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Aretha Franklin『I Never Loved A Man The Way I Love You』 (1967)

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コロムビアからアトランティックへ移籍後の記念すべき第一弾アルバム。ソウルの女王として、彼女の黄金期の幕開けに位置付けられる重要な一枚と言えます。シングルとしても大ヒットしたタイトル曲や「Respect」。まさにスターダムへとのし上がっていくその瞬間を見事に捉えたアルバムですね。ソウル・シンガーとしてのアレサの歌唱もここでほぼ確立していると言って過言ではないですし、キャロリン&アーマ・フランクリン姉妹、シシ・ヒューストンらによるコーラス、キング・カーティスのサックス、そして一部マッスル・ショールズでの録音を含んだ華やかなサウンド作りも、この名盤に花添えていますね。

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SIDE 1
1. Respect
イントロの有名なギター・フレーズとホーンに導かれてアレサが軽快に歌い出す。この瞬間がもうめちゃめちゃかっこいいですね。彼女の代表曲の一つとも言えるナンバーですが、これはオーティス・レディングのカバー。でも、もはやどっちがオリジナルか分からなくなるくらい、個人的にはこのアレサ・バージョンを聴きまくってます。ライブだとさらにテンポが加速するのがまたかっこいいんですよね。

2. Drown In My Own Tears
アトランティック・レコードの大先輩、レイ・チャールズの56年R&B大ヒットのカバー。レイの歌唱のニュアンスを大切にしながらも、後半徐々に盛り上げていき、アレサ節を炸裂させていきます。

3. I Never Loved A Man (The Way I Love You)
アルバムでは3曲目に登場しますが、アトランティック移籍後のファースト・シングルとしてリリースされた記念すべきナンバー。♪You're no good 〜 と歌い出した瞬間にアレサの世界に一挙に引き込まれます。その後も随所に光る彼女のボーカルが聴きどころのR&B名バラードです。

4. Soul Serenade
ゆったりめのシャッフル・リズムに乗せて歌われる、ミディアム・スローなナンバー。シンプルなフレーズを繰り返す和み系のバックと、アレサの歌唱の起伏との対比が面白い楽曲ですね。

5. Don't Let Me Lose This Dream
ボッサ風味のアコースティック・ギターに乗せたアレサのオリジナル曲。イントロで少しだけ絡むサックスが印象的。中盤からバンドやコーラスも盛り上がってきて、アレサのボーカルもワンギア上がる感じですが、意外にもあっさりとフェイド・アウトしてしまいます。 

6. Baby, Baby, Baby
アレサと妹のキャロリン・フランクリンとの共作によるバラード・ナンバー。アレサ、アーマ、キャロリンのフランクリン3姉妹のボーカル&コーラス・ワークはこのアルバムの特にA面の聴きどころとなっていますね。

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SIDE 2
1. Dr. Feelgood
シングル「Respect」のB面にも収録されたブルース/R&B系の名バラード。アレサと当時の夫テッド・ホワイトとの共作。クレジットが「Aretha White & Ted White」となっていて、夫婦での共作ということがアピールされています。

2. Good Times
サム・クックのカバー。64年のヒットとなるミディアム・シャッフル・ナンバーです。このアルバムはオーティス・レディング、レイ・チャールズ、そしてサム・クックと、偉大なる男性R&B/ソウル・シンガーのカバーが目立ちますね。

3. Do Right Woman, Do Right Man
バラードの名曲が多いのもこのアルバムの特徴てすが、ダン・ペン作のこの切ないナンバーは、個人的にも特に印象的な一曲です。アトランティック移籍後初シングル「I Never Loved A Man (The Way I Love You)」のB面でもありましたが、なかなか強力なファースト・シングルですよね。この曲は、後にダン・ペン自身もセルフ・カバーしています。

4. Save Me
A6「Baby, Baby, Baby」に続いて、アレサ&キャロリンのフランクリン姉妹がクレジットに連ねています。ただしボーカルとコーラスの掛け合いなどは残念ながらここでは聞くことはできません。シンプルなリズム・ギターのリフをバックにアレサが歌い上げる、ややアップテンポのナンバーです。

5. A Change Is Gonna Come
ラストを飾るのは、このアルバムで2曲目となるサム・クックのナンバー。♪I was born by the river のところが印象的な、名バラードのカバーでアルバムを締めくくっています。

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コロムビア時代からシンガーとしてのキャリアを積み上げ、アトランティック移籍後は、このアルバムを皮切りに不朽の名曲・名盤を数多く残していきます。取り上げたいアルバムがまだまだたくさんあるので、今後また記事にしていきたいと思います。


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