社会人インターンシップで暮らしを知る
どう働くか、よりも、どう暮らすか
育児休暇を経験して生まれた問い
充実した仕事がしたい、もっと成長したい。
それらの欲求は、時に、何かの犠牲を前提にしているようにも感じる。
“育児休暇中に働かなくなると、自分はどうなるのだろう”
事前の不安をものともせずに、育児休暇中の“暮らし”は、豊かさを感じるものだった。暮らしとは、生きること、その基盤にあるものなのではないか。
働き方を考えるよりも、暮らし方を
まずは考えたほうが良いのでは?
その問いに向き合うために何が参考になるのだろう。
例えば、暮らしを考える方たちは、どんな視点で世界を見ているのだろう。
例えば、この方。
石崎秋子(市原悦子)さん
1983年から2008年までテレビ朝日系「土曜ワイド劇場」で放送されたテレビドラマシリーズ。殺人事件が起きそうで、全く起きないのが特徴。
森山みくり (新垣結衣)さん
社会テーマに率直に切り込む姿勢が印象的なドラマであった。
鴫野ナギサ(大森南朋)さん
もはや見てない。見てないけど、おそらく地上波において最新の暮らしを考える番組なのではないか。そうだ、そうに違いない。
つまり、ヒントは家事にあり...!!
家事について身近な人に聞いてみよう!
と、いうことで
社会人インターンシップ to 中央ケアサポートさん
ハイパーダイジェスト版をどうぞ
①渡されたエプロンの着用に手こずり、冷ややかな視線を浴びる
②未だかつてない衆人環視の下、掃除機を手に、腰が引け手が震える
はい、ということで、
中央ケアサポートさんでの、家事代行インターンシップがスタートです!
まずは現場体験!現場体験の手順は以下の通り
▶お家の方にご挨拶
お客様にまずはご挨拶。よろしくお願いします。
▶手洗い
菌をつけない、生み出さない、もちこまない
▶荷物を置く
目を開くとそこはお客様の暮らしがある場所。
あらかじめ決めた場所に荷物を置いてお仕事の準備
▶水上社長から本日の予定を共有
ふんふん、はい、なるほど、かしこまり。
▶掃除機
床が傷つかないように、掃除機の機体を持ち上げてお掃除。床に置かれた台をずらすときも、引きずらずに持ち上げて移動させること。また、カーテンの下や隙間など、丁寧にほこりを吸い取ること。自宅での掃除と異なり、緊張感が凄いので既に腰が痛い。
▶モップ掛け
畳を掃除するように、節目に合わせてふき取ること。また、汚れを残さないように掃除は基本的にはバックで行う。高校時代、ラグビー部の一員としてグラウンドの整備をしていた記憶がカムバック。
▶窓ふき
重力を意識して、高いところから低いところにかけて順に掃除。また、枠に沿ってほこりが残らないようにふき取ること。さらに、どうやったら綺麗になるだろう、過ごす人が気持ちよく過ごせるだろうと考えながらお掃除。
大前提として、物を壊さないこと。もちろん、壊してほしくないものはしまっておいてほしい、など、お客様との契約時には最低限の共通認識を得ながら進めているとのこと。
▶質問タイム
実際のスタッフさんも交えて質問タイム。
スタッフさん曰く、違う順番でまばらに作業すると、作業の一部を忘れる可能性がある。だから、自分は必ず1-10まで同じ流れで進めるようにしている。あと、拭き掃除の際は、どこをどんなタオルで掃除するかも決まっている。ここだったら、ダ〇〇ンの布、あそこだったら白い布とか。また、清掃箇所と使用する器具の組み合わせを覚えるのが少し大変だったけど、覚えた今となっては適切に実施できると綺麗になることが実感できている。
なるほど。プロならではの気づき。
実地体験は以上!ここからはご説明!
▶改めて水上社長から事業紹介
中央ケアサポート様は北陸初の家事代行認証企業で、
訪問介護・家事代行をサービスとして提供している。
お客様の暮らしに寄り添うために、“洞察する力”が大事。
例えばカウンセリングの際に、暮らしの中で何を大事にしているのか、お願いしたいサービスの内容、また、家に置いてある掃除又は調理機材、何故依頼しようとお考えになったのか、さらには、家族構成など、まずはお客様の声に耳を傾ける。お客様の語る言葉以外も意識して、お客様が何を求めているのか、お客様像を“洞察する”力が必要。
これまで3万件以上の実績を持ち、30年以上事業を継続していることが、お客様への品質の証明になっていると感じた。
現在、中央ケアサポート様の登録スタッフは現在100名。
お客様からのオーダーを満たす、スタッフの実力は重要。
ただ、実力だけではなく、スタッフとお客様の相性が大事だったりする。お客様に最適なマッチングを実現するために、多くのスタッフと一緒に事業を続けている。また、訪問介護を家事代行サービスと絡めて提供しているのは、全国でも数社しかない。
家事代行は“お掃除のプロ”というよりは、暮らしに寄り添い、
お客様にとってより望ましい暮らしを支援するためのプロ。
“掃除”というと、“ハウスクリーニング”というサービスがある。ハウスクリーニングは専門の洗剤器具でお掃除するが、家事代行はお客様のお家にある洗剤や掃除用具でお掃除する。あと、家事代行は掃除だけが求められるわけではない。そういった意味で、私は、よりお客様に寄り添うことが必要だと思っている。
▶どんな人と一緒に働きたいか
詰まるところ、暮らしを支援するというのは“気づき”である。
こうしたら喜んでくれるかな、とか、ここを綺麗にしたら、暮らしがもっと良くなるのではないか、という気づき。だから、人を支援することにやりがいを感じる人と一緒に働きたい。現場で働いていると、最初は荒れていたお家が、どんどん綺麗になっていくのがわかる。お客様の暮らしが変わっていくのがわかる、お客様から「来てくれることを楽しみにしている」と、お言葉をいただいたこともある。
お客様がより良い暮らしになっていくのを、目の当たりにできる仕事だと考えている。
▶これから
家事代行サービスは歴史が浅くて、“あってもなくても良いのでは”と言われたこともある。特に北陸では、知名度が低い。若者にとってはサービスを利用する決定打がないことが今はネックになっている。ただ、最近は、ドラマや漫画で存在を認知いただくことが多くなったことは、良いきっかけだと思っている。
今までもこれからも、お客様には、自分らしく暮らしてほしい。例えば、75歳以上になると、身体は健康でも細かいことがなかなかできなくなってくる方も多い。そんな時に周りの家族も含めて、どのように暮らしていけるか、共に考えて支援できるお仕事として、これからも貢献していきたい。
▶感想
やはり、私たちの働き、いわゆる労働を支えているのは生活だと思った。そして、生活するために労働することはあっても、労働するために生活すると、本末転倒な気もしている。
働く中で余裕がなくなると、働く以外のことが“タスク”に見えることがある。ここで言う“タスク”とは、面倒なこと、片付けるべきこと、みたいな意味。効率化だけを追求して、削り落とした先に、何か大事なものまでそぎ落とされたような空虚さが残ることがある。
生活の営みを、タスクではなく、それ自体を豊かさとして味わいたい
例えば、台所のシンクを磨き、水滴を残さずふき取った時の爽快感
例えば、美味しく頬張る家族の顔を思い描きながら料理している時
働き方をアップデートすることは大事かもしれない。
ただ、暮らしを楽しむ、暮らしに向き合うための心の余裕が、私たちの日々の豊かさや優しさを生み出すのではないか。そんな視点をいただいたインターンシップでした。ありがとうございました。
p.s
水上さんが“家事代行のパイオニア”と仰っていた、高橋ゆきさんの記事