人事制度って何なんだ

先日受けた相談。
「自分はもっと頑張らないといけない。20年以上働いてきて、自分で仕事の目標を作ることもできないのかと上司に言われた。ずっと働いてきた自分が嫌になる」

1年前の会社の代表変更に伴い、半年前に会社の人事評価制度が変わった。「言われたことを正確にこなす」「事務職は営業職の一歩後ろに控えて支援する」という方針が、「社員ひとり1人が考えて行動できるようになる」「毎週各自で目標設定して上司と振り返る」に変更。

結果、「ずっと働いてきたのに、ダメダメな自分。全く頑張れていない自分」という自己イメージが形成されるに至る。

人事評価制度が変わるということは、ある意味「人を評価する基準が変わる」ということ。人によっては「これまでの全ての職業人生が否定されたような感覚」を得てしまうのだろう。

これまでの自分ではダメなんだ。変わらないと。成長しないと。何者かにならないと。でも、何になりたいのだろうと悩むその方は、ご自身の言葉でご自身を追い込んでいるようにも見えた。

人事評価制度は組織として必要なものだろう。しかし、苦しんでいる人がいることを考えると、果たして、組織の方向性を定める指針となるのか、働く人々を苦しめる呪いとなるのか。