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ひとのレジでだけ起こること

スーパーで、会計の最後に「レジ袋もお願いします」って言ったら、店員さんに はにかみながら「おしいです。レジ袋付けなかったら4,444円でゾロ目でした(にこっ)」って言われて、こっちも にこってなった。

買った野菜や肉をレジ袋に詰めながら、10年以上前に違うまちで暮らした時のことを思い出した。

引っ越して初めて近所のスーパーに行った時、私の指は洗剤負けであかぎれしてた。部屋に絆創膏はなかった。

会計でおつりを貰う時に、店員さんがその指をみて「あら大変、これ使って。私いっぱい持っているから」と、エプロンから絆創膏を取り出し、貼り替えてくれた。

絆創膏を貼るその店員さんの指も、絆創膏だらけだった。

これから知らない土地でもなんだか頑張れそうな気がした。
帰り際、初めて備え付けのアンケート用紙に感謝の言葉を書いて、投かんした。

あの人は元気かな。今はレジも自動でお釣りが出てくるし、カード決済も増えたから、レジ打ちの皆さんは手荒れもしなくなって良かったと思う。

セルフレジでは起こらないけど、ひとのレジだと、たまにこういう小さい事件が起きる。そして、10年以上経っても覚えていたりする。

そんな回想も終えて帰ろうとしたその時、SMAPのオレンジがスーパー仕様のアレンジで店内に流れだして、うわ懐かし!って独り事こぼすくらいには反応した。
スーパーでバイトしたら、店内で流す曲のDJやってみたい。魚の特売日にはサカナクション流したい。

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