見出し画像

薔薇の朝 * チェンマイ俳句毎日

【チェンマイ俳句毎日】2024年6月26日

夫の髪切る庭の薔薇の朝


    夫の髪を切った。夫は床屋嫌いで、髪を切るのは私の役目である。もちろん、テキトー。たまにYouTubeで髪のセルフカットなどの動画を参考に見たりはするが、今回はそれも省略した。

     昔は、美容室で自分が髪を切ってもらう時に、美容師の手元をじっと見て技を学ぼうとしていたが、毎回、「あ、無理だな」と思った。そして、プロの美容師の鮮やかな鋏捌きにうっとりした。チェンマイでは希望の髪型に切ってくれる美容師を探すこと自体がなかなか難しいところがあるにしても、やはり、プロに切ってもらえばきれいになるのになと思うが、夫は頑固なのだ。長年切ってきて、昔よりは丁寧になったが、上達はしていない。

    さて、夫の髪を切るにあたって重要なポイントがある。それは、どんなに失敗しても「あっ」とか声に出さないことだ。夫は後髪はノーチェックなので、余計なことは言わない方が平和なのである。

    一方、前の方は一目瞭然なので手を抜けない。前回は、梳きバサミで前髪を軽くしてあげたら、ボリュームを減らしたといってご立腹だったので(苦笑)、今回は、前髪は自分で揃えてもらい、ちょっと飛び出ているところを揃えてあげる程度で終えたため、藤田嗣治さん風坊っちゃんカット、という感じに仕上がった。

   どうであれ、本人がすっきりしたと喜んでくれるのが一番である。喧嘩をせずに散髪を終え、庭には夫が世話をしている薔薇が可愛げに一輪咲いており、気持ちの良い朝だった。

✍️ 

薔薇 (初夏)
「夫」は俳句では「つま」と読みます。

いただいたサポートは取材費にあてたいと思います。どうぞよろしくお願いします。