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雲の峰 * チェンマイ俳句毎日

【チェンマイ俳句毎日】2024年7月10日

雲の峰駅弁売りの美声かな

去年の今頃、仕事で一時帰国をしていた。仕事が終わったあと、ずっと会いたかった親戚や恩師に会いに行けたのは、私にとって何よりもうれしいことだった。

親戚に会った帰りの駅で、歌いながら駅弁を売っているおじさんがいた。大好きな叔母に会えた喜びに浸っていた私は、プラットホームに響き渡るおじさんの年季の入った歌声や立ち姿に胸を打たれ、思わず、かしわめし弁当をひとつ買っていた。
後日、実家でテレビを観ていたら、そのおじさんが出てきて、人気アイドルのなんとか君に駅弁ソングの歌い方を伝授していた。名物おじさんのかしわめしは、素朴で懐かしい、泣きたくなるような味だった。


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