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無理してまで、期待を背負わなくていい ▶︎ドイツde起業⑰

グーテンターグ!
ドイツde起業に挑戦中、古川かほりです。
暑い日が続いていますね。みなさん、お元気でいらっしゃいますか?
人も想いもよく動く夏は、状況もカラカラよく回る気がします。

さて今日は、怒涛の7月後半を駆け抜け、感情も思考も一周回ってニュートラルゾーンに帰還するまでの間に出逢った思いや内面変化について書いてみます。
前回の記事で、エイっ!と勇気を出してみると様々な変化が起きたよ。というお話をしましたが、その後の展開は、、




深呼吸して、頭の中を整理する

次のステージへ進むと腹を括った翌日、起業に向けて長い間探していた会計士さんとの出会いがありました。
彼の名は、ヨハネス。ドイツ人男性。人として相性良さげ。コンセプトへの熱量もすこぶる高い。何より話合いが出来ることが、それはそれは嬉しくて、心強かった。

そして、ヨハネスと共に、新しい波がやって来ました。

彼の現状は、『2月に6年勤めた前職(CFO) を去り、今は失業手当をもらいながら、しばし幼い娘との時間を満喫中♬ 君の企画にすごく可能性を見出しているから、フリーでも手伝いたい。ただ失業手当が9月までだから、10月からは給料を発生させなければいけないんだ。』とのこと。

勝手にタイムリミット

次に来たのは、”タイムリミット” の波でした。

この企画に大規模な資本金はなく、先ずは、資金集め。
突如現れたシンデレラガイが持つ時間は、約2ヶ月。
出逢った頃は、本気で”どうにかする!”と思っていました。
『わたしが出来ると思わんで、どうやって人を巻き込んでいけるん?』と。無意識に自分を鼓舞していたのだと、思います。

2人でのプレゼン資料作成に入り、彼からのある質問で、わたしは凍りつきました。現代文化の中では、解決策がない問題を発見したのです。
(事業内容を変更して、自分が始めない限りは。。)
これが解決できなければ、この会社に未来はない。
ノリノリだったわたしは、突然現れた高い壁の前で立ち尽くしました。

そんな絶望感の中でも毎日アイデアを探し続ける自分がいたので、暫しタイムリミットを忘れて時間をあげてみる事に。

焦りは視野を狭めてしまう

結果、視点を変えて別方向からアプローチするアイデアを思いついたのですが、同じ頃、ヨハネスは夏休みへ突入。強制的に、お互い冷静に状況を見る時間が訪れたのです。ここまでの3週間、わたしも彼もかなり高揚し、同時にすごく焦っていました。

彼が夏休みに入る直前、開業資金見積もりを依頼したわたしは、そこに記載された金額<約1千万円>を目にした時、初チームメイトが出来て浮き足立っていた、と、ようやく自分の足が地についていない事に気が付きます。

いつからか、彼がこの企画を『僕たちの企画』と呼ぶようになり、嬉しかった。にしても、現状の企画書は、荒すぎる。まるで、夏休みの宿題を始業式の三日前にやっているかのような気分にすらなってくる。

勢いだけで理想郷を唱えている、ビジネスプランガタガタ会社に、誰か1千万も出してくれる?なめすぎじゃない?

腹の底からそう感じたわたしは、このタイムリミットの波に乗らない。という選択を下します。本音を言えば、もちろんヨハネスと一緒に仕事をしてみたい。でもこれは、まだ2人の企画ではない。あくまでわたしの企画。
彼ありきでは、ない。よね? 

この時、焦りから視野に熱が入りすぎて、狭くなっていることに気付いたのです。と、同時に、次の質問が頭に浮かんできました。

この企画のわたしの役割は、何?

それは紛れもなく、この企画を一から大切に育てること
どの波に乗り、乗らないのか、研ぎ続けている直感を信じて舵を切ること

焦りと不安の奥にある、余裕という秘境

初のチームメイトを失ったとしても、大丈夫。
一つ一つ大切にしながら進めば、必要な人やご縁とは、必ず繋がっていく
その気持ちが腑に落ちた時、誰かのタイムリミットから解放され、ホッとしている自分がいました。以前のわたしなら、ヨハネスを失わぬよう鞭打ってでも、タイムリミット内で何かを形にしようともがいたでしょう。
今回は、『自分を大切にしてあげる』という1年程前に始めた自分ルールに基づいた決断でもあります。

すると、どうでしょう。
これまで感じたことのない心の余裕と自信が湧き上がってきたでは、あ〜りませんか!びっくり。

焦りの中で見つけた新しいアイデアを冷静に再考し、これならイケる。
そう確信したわたしは、夏休み中のヨハネスに向けて、アイデアの書き出し&共有をし、彼の答えを待つことにしました。
加えて、彼が参加してもしなくても、この企画は進めていく。ただ彼のタイムリミット内で結果を出すことは厳しい。と、今は思うこと。代わりと言っては何だけど、タイミングよく国からのスタートアップ助成金コンペを見つけたので、参加しようと思う。と、いうことも。

根拠はありませんが、心に遊びのスペースを持たせながら、その時その時で選んだ波に乗って行けば、うまくいく。今は、そんな自信に満たされています。随分長い間、何かをやっていなければ不安&人と比べては焦っていたので、これは新しい感覚で、まるで深い森を抜けた先の秘境温泉に辿り着いた気分です。

無理してまで、期待を背負わなくていい 

ゆったり構え直して余裕が出来たことで、以前の自分の癖(無意識に執着していること、失うことを怖がっていること)に気付き、軌道修正をかけることが出来ました。
未来をビビらなくなった = 恐れを手放したら、心が随分軽くなりました。

そして、今回学んだ期待との向き合い方。
家族や友人、応援してくれている人々の期待に応えようとする努力は、素晴らしいこと。みんなの気持ちが、何よりも燃料になってくれます。
ただ、いつの間にか誰かの期待に答えることが目的になってしまうと、本質に霧が掛かり、置き去りになりやすい。
多くの場面でその現象は焦りを生み、視野を狭くさせ、プレッシャーに姿を変えて重くのしかかってくる。
頑張り屋さんほど、不必要に自分の首を絞めてしまう。

期待は呪縛ではなく、応援。
ありがとう!:) と軽く、有り難く、受け取るだけでいい

それ位の距離感を保つことを意識しておくと、楽なのでオススメです。

何があっても自分を責めないで。焦らなくて大丈夫。
波は、必ずやってきます。

あなたも、わたしも、大丈夫。
安心して :)


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